「個人を特定するまではできませんが、Cookieという仕組みを使ってユーザーの趣味嗜好を把握することはできました」
Cookieとは、サイトを閲覧した際にユーザーの行動履歴やデータなどを保存しておくファイルのことだ。
「巨乳好きなユーザーの画面には、巨乳系の広告を出すといったターゲティングにデータを利用していました。気持ち悪い系を見ている人は、悪趣味なジャンルばっかり見ていましたよ。ちなみに最も人気があった動画のジャンルは無修正。その後に中出し、巨乳、アニメなどが続きます」
また、アクセスした地域やホスト名などがわかるIPアドレスを見れば、意外な訪問者が判明することも。
「分かりやすいホスト名は一発でバレます。『〇〇university』みたいなホスト名だと大学内で見られてるということ。ちなみに、Share Videosと漫画村は大学からのアクセスが多かったですね。IPアドレスとCookieで、アクセス先の大体の見当がつくんです。警視庁や役所からのアクセスもわかりますよ」
職場でアダルトサイトを閲覧している人にとっては肝が冷える思いだが、「個人情報がバレることはない」と星野氏は念を押す。
「CookieとIPアドレスがバレたところで個人は特定できません。会員登録が必要なサイト以外なら気にしなくて大丈夫です」
ただ、こうしたリテラシーがあってもビビってしまうのが架空請求だ。
〈登録完了しましたので、●万円を支払ってください。支払い期限を過ぎた場合は法的処置をとります〉
こんな画面を前にして、ムスコが萎えない男はいないが、星野氏は単なる広告なのだと強調する。
「あれはフォークリック詐欺=架空請求とよばれる、広告のひとつです。1クリック100円などという高単価広告だったので、アダルトサイトはこれで儲けていた時期がありました。フォークリック詐欺は、ワンクリック詐欺が法律で禁止されツークリック詐欺が出てきて、それも禁止された後に出てきた詐欺です」