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49本目・『世界忍者戦ジライヤ』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載81

連載
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話戻すが主人公のジライヤはもともと日本にいるから家族がそばにいたりするがその家族は実の家族ではない。ジライヤの先祖は宇宙からやってきたのだ。そして彼を引き取ったのが初見良昭先生演じる山地哲山である。戸隠流忍法第三十四代宗家という設定であるがこれはそのまんま初見良昭先生である。

俺にとってこの初見先生の登場、出演は驚きの超ビッグニュースだった。

俺が子供の頃、初見先生は超有名人だった。テレビ番組にもよく出ていた記憶がある。本も持っていた。『忍者忍法画報』だっただろうか、秋田書店の本だった。忍者屋敷の図解とか、何も食べずに耐える術とか、水の上を歩く方法とか、とにかくおもしろくて肌身離さずずーっと読んでた。小学生の低学年から中学卒業ぐらいまで読んでたんじゃないか。中学生の頃から性的な書物に関心が移って読まなくなったのかもしれないし、読みすぎてぼろぼろになってきたので読むのを自重したのかもしれない。とにかくそれくらい好きな本だった。その著者が初見良昭先生。子供の頃からずーっと読んでた本の先生が突然日曜朝の特撮番組にレギュラー兼忍術監修で登場されたのだ! 嬉しくないわけがなかった。著書のなかに初見良昭先生はたくさん出られていたので顔は刷り込まれていた。二十年近く経っていたが変わられてなかった。忍法かもしれない。なお、初見良昭先生は大人向けの雑誌や書物では女性にもてる忍法も書かれていた記憶がある。いちおう子供向けの特撮番組なのでそこはあまり活用されてなかった。

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世界の各地から、そして宇宙からいろいろな忍者がやってきては帰ったりする中、アメリカに帰るお金がなくなったのが雷忍ワイルドだった。彼は温泉地の見世物芸人(銃の早射ちショー)をして食いつないでいた。マネージャーはビートきよしだった。

ぶっきらぼうでとっぽいワイルドが好きになった私は週刊誌『平凡パンチ』で、演じていた石井次郎さんのインタビューを敢行した。最終号かその一号前ぐらいだったように思う。

世田谷線がそばを走る公園で撮影して話を聞いた。ワイルドを演じるおもしろさ、その魅力、そして石井次郎さん自身の将来の夢。

あれからもう35年になるのか。

『世界忍者戦ジライヤ』(1988年/テレビ朝日・東映・旭通信社)
出演/筒井巧、関口めぐみ、初見良昭、橋本巧、広田一成、鈴木正幸、野原ひろみ、長峰綾、田谷知子、浦谷ひづる、曽我町子、大平透(ナレーター)、栗原敏、山田一善、的場耕二、蜂須賀昭二、関誉枝恵、内田博之、宮崎剛、関裕志、金田憲明、スワミ・ボディ・アクシャラ、多々良純、大月ウルフ、誠吾大志、長門美雪、日下翔平、中村ブン、船場牡丹、きくち英一、原口剛、江藤漢、依田英介、真弓田一夫、河合絃司、高杉哲平、剣持誠、喜多川務、河合宏、二宮秀夫、佐川二郎、泉福之助、佐藤恵美、吉野佳子、柿崎澄子、大前均、春田純一、木村修、宮口二朗、小林勝彦、ビートきよし、高月忠、石井次郎、須藤正裕、ミッキー・カーチス、大葉健二
声の出演/長沢大、飯塚昭三、広森信吾、西尾徳、山中一徳、斉藤茂、丸山詠二、吉田淳
プロデューサー/宇都宮恭三、吉川進、折田至
原作/八手三郎
脚本/藤井邦夫、中原朗、高久進、寺田憲史、九鬼隆、小池剛、扇澤延男、杉村升、藤井康浩
撮影/瀬尾脩、小泉貴一、工藤矩雄
武芸考証/初見良昭(戸隠流忍法第三十四代宗家)
音楽/若草恵
主題歌/串田晃、山川啓介、鈴木キサブロー、戸塚修
アクション監督/金田治、山田一善
監督/岡本明久、辻理、三ツ村鐵治、宮坂清彦、新井清、折田至

<隔週金曜日掲載>
画像/『世界忍者戦ジライヤ』DVDパッケージ

PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OTOKONOHAKABA

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