――元アンジュルムで、ME:Iリーダーとなった笠原桃奈ですね。
田端 ME:Iのライブでは、開演前にコールや合いの手の練習映像が流れていました。親切ですよね。ただ、ハロオタ魂的には「オフィシャルが決めたコールをそのままやらされるなんて、北朝鮮のマスゲームじゃないんだから」みたいな気持ちも。オタクが自由に考えるから「ここだよ朋子!」みたいなコールも生まれる。
――Juice=Juice『Magic of Love』の迷コールです。
田端 実際、ハロに初めてきた人はノレるわけないから、めちゃくちゃ疎外感を感じるはず。ハロは歴史が長く濃いオタも多いから奥行きは深いんだけど、一見客が入っていけない間口の狭さがある。ハロプロって、めんどくせえ常連客ばかりいるスナックみたい。その点、坂道なんかは親切。秋元真夏と西野七瀬の確執に関しても、横アリのナレーションで西野に「真夏、お帰り。一緒にがんばろう」と言わせて、わだかまりの解消を分かりやすく演出する。これがハロになると、同じように確執が噂されていた小片リサと浅倉樹々を、しれっとつばきファクトリーのステージで合流させるでしょ?
――ハロプロ25周年記念の代々木公演ですね。
田端 小片がグループを抜けた経緯を知っているオタクには胸熱の演出ですが、知らない人にはまったく伝わらない。直後のMCでもまったく触れない。粋なのか、不親切なのか。奥行きの深さと間口の狭さ、ギリギリのバランスでハロは成り立ってますね。
――業界人に多いライトなファンかと思ったら、ゴリゴリのオタクですね。普段、こういったオタトークをする仲間は?
田端 います! LINEグループでおすすめの動画を教え合ったり、互助会のようにチケットを回し合ったり。元カントリー娘。のみうなさんとインフルエンサーの坊主さんと新宿の虚無僧バーでやった「ハロプロを語る会」も、酒飲んで動画を見ながら好き勝手に語るというハロオタ飲み会みたいなノリでしたね。
――この催しには、ハロオタ界隈もザワつきましたよ。セレブな田端さんはピンとこないかもしれませんが、「ハイスペック恋愛相談」という港区臭プンプンの「斎藤美海(元・みうな)」さんに、ハロオタは嫌悪感を抱いている。坊主さんもハロオタから嫌われているし。
田端 僕も、アイドルとしてみうなさんを推してるわけじゃないけど、元ハロメンというだけで一定のリスペクトをしていました。
――オタクの面倒くさいメンタリティーと、港区女子の強かさは相容れません。田端さんも、Xでときどき弱者のハロオタに絡まれていますね。