日本には1年間で約8万人もの失踪者がいる。そしてそのうちの2000人ほどは何年経っても発見されないままだ。現代の〝神隠し〟とも言える原因不明の未解決失踪事件に迫る。
残された家族たちの時間は止まったまま
古来の日本では、村のルールを守らない者を集団リンチで殺した場合や、子供や老人を口減らしのために殺した時などに〝神隠し〟にあったことにして村人同士口裏を合わせていたと言われている。
そしてネットが発達した今の日本においても、〝神隠し〟としか思えないような原因不明の失踪事件は後を絶たない。
それらの多くは昔とは異なり、何らかの事件に巻き込まれた場合や、不倫相手や恋人との駆け落ち、借金から逃れるための自発的な蒸発など、理由は様々であろう。だが、残された家族たちは、何年経っても失踪者の安否を気遣い、気持ちを切り替えることができず、探索を続けている場合がほとんどだ。
多くの未解決失踪事件が解決し、関係者に平穏な日々に戻れるようになることを強く願っている。
京都府長岡京市 嵐真由美さん失踪事件
嵐真由美さん(27歳)が「同級生と会ってくる」と姉の洋子さんに言い残し、出かけたまま消えたのは1994年9月2日。当時、真由美さんは産後のために実家で暮らしており、1歳半の子供を預けたままの外出だった。
17年後の『スーパーJチャンネル』がこの事件を取り上げた際に「洋子の話を信じるな」という謎のメモが画面に写り、不気味だと騒然となった。なぜなら、失踪直前の真由美さんに関する証言は、全て姉の洋子さんによるものだったからだ。
あまり知られていないが、その洋子さんも後に失踪していることがわかっている。姉妹の失踪、謎のメモ。これら2つが示すものとは?
群馬県太田市パチンコ店 横山ゆかりちゃん失踪事件
1996年7月7日、群馬県太田市のパチンコ店を両親と訪れた横山ゆかりちゃん(4歳)が行方不明になった。事件は両親が目を離した10分ほどの間に起きており、ゆかりちゃんと店内で会話する怪しい男の姿を防犯カメラはとらえている。男についていってしまうゆかりちゃんの姿が痛ましい。
ここまで犯人の姿がわかっていながら未解決なのだ。両親は、パチンコ店に子供を連れていったことを悔み、自責の念にかられながら、現在もゆかりちゃんの帰りを待ち続けている。群馬県と栃木県の県境では、足利事件をはじめとして、79年から90年にかけて4人の女児が失踪し遺体で見つかる事件が続発している。
ゆかりちゃんの事件と何か関わりがあるのではないだろうか。