「松本の手前、吉本としては自分から仕事を降りるわけにはいきませんし、万博側としても簡単に松本を切ることはできないんです。万博は大崎元会長が関わっているだけでなく、吉本が公式パビリオンを出すことも決まっていますからね」(前出・スポーツ紙芸能デスク)
そして、吉本にとって最大の懸念点は、このままなし崩し的に松本がアンバサダーの仕事に復帰すれば、吉本にとって最も触れられたくない部分にスポットが当たってしまうこと。吉本の税金ビジネスの闇である。
吉本興業に多額の税金がつぎ込まれていることはよく知られている。中でも経済産業省が資金提供する官民ファンド「クールジャパン機構(正式名称は株式会社海外需要開拓支援機構)」から多額の出資を受けており、その額はお笑いとはケタ違い。安倍政権下の2019年には吉本がNTTと組んだ教育コンテンツを発信するプラットフォーム事業に対し最大100億円の出資がスタートしている。
「吉本に多額の税金が流れていることに対しては以前から批判が噴出しています。しかもクールジャパン機構の投資は失敗ばかりで、年間数十億円の赤字を垂れ流したにもかかわらずまったく効果を上げていませんからね」(前出・スポーツ紙芸能デスク)
このまま松本が万博アンバサダーに居座り続ければ、税金を食い物にする吉本ビジネスが掘り返されることになり、またぞろ批判が集まることは避けられない。吉本にしてみれば、そうなるくらいなら松本の復帰は先延ばしにして、このまま大人しく謹慎していてほしいというのが本音だろう。
遅くとも年明けには松本復帰に関して何らかの動きが出てくるはずだが、果たして吉本興業とお笑いの天才・松本人志が、今回のスキャンダルにどんなオチをつけるのか、楽しみに待ちたい。
文/山口昌夫