政治家が本筋を誤魔化たり、なんか大丈夫そうな雰囲気作りをする方法としては、気のきいてるようなことを言ったり、かっこよさげなことを言うというやり方がある。よく考えると意味不明だったり、なにもかっこよくないことも多いが、それで流れを作ってしまう。これが上手かったのが小泉氏の実父である小泉純一郎元総理大臣だ。
息子の方の小泉氏もわりとそういうのをやりたかったのだろうというのはあり、環境大臣時のセクシー発言などはそういったものだったのではないか。ただ、それが上手くいっているとはいえず、スベっていたり、意味不明なだけだったりすることが天然感を引き出し、ネタキャラ化が加速した原因だ。ようするに「天然」であるという認定を与えられ、軽く見られているということも言える。
しかし、ここで問題なのはネタキャラにすることで実態が見えなくなることで、実際より軽く見積もってしまうことであり、色々な問題が漂白されてしまうことだ。堀江貴文氏や西村博之氏を愛称で呼ぶことでキャラ化がされ、その言動の問題が漂白されてしまうのと同じようなことである。
また、なんとなくの感じの良さは元から定評があるが、これとある種の「天然さ」が結びつくことで、ある種の「可愛さ」が生まれており、これによって強いアイドル性を獲得していく可能性がある。
安倍晋三元総理が支持された理由の一つに「可愛さ」があったことは間違いないと思っており、森喜朗元総理がああいう人なのに地位が存続できている要因の一つに「可愛さ」の問題がある。周囲の人間にしか届かない森元総理と、ある種のアイコンにまでなった安倍元総理ではアイドル性の強さに差はあるが。