主演は三人。
村野武範。
結城しのぶ。
杉本美樹。
そして音楽監督は荒木一郎。主題歌も荒木一郎だ。
そうとうイレギュラーな昼メロだった。
そうとう変わった昼メロだった。
そうとうの冒険作だった。
そして。
すべて製作された全40話。
月曜から金曜の毎日昼間放送で8週間。
二カ月にわたって放送されるはずだった。
が、結局、このドラマは放送されなかった。
放送されないまま何年もすぎた。
なかったことになっていたのかもしれない。
何年もたって、東京ローカルで深夜、毎日の放送が終了するすこし前に、ひっそりと放送された。そのタイミングだけでその後も一切、どんなかたちであれ放送はされていない。
私はちょうどその頃、毎晩朝まで漫画を描いていた。
なので見ていた。
ともだちもいなかったのでひとりで見ていた。
私は再放送だと思っていた。
だが再放送ではなかったのだ。
(この項、つづく)
『青春の甘き香り』
出演/村野武範、結城しのぶ、杉本美樹、森みつる、明石勤、河原裕昌、堺佐千夫、関戸純、岡本麗、石山雄大、鶴岡修、頭師孝雄、鈴木瑞穂
脚本/野上龍雄、森崎東、宮川一郎、下飯坂菊馬、安部徹郎、ほか
音楽/荒木一郎
主題歌/「回り舞台の上で」作詞・作曲/荒木一郎 編曲/林哲司
監督/森崎東、長谷和夫、ほか
脚本/野上龍雄、森崎東、宮川一郎、下飯坂菊馬、安部徹郎、ほか
音楽/荒木一郎
主題歌/「回り舞台の上で」作詞・作曲/荒木一郎 編曲/林哲司
監督/森崎東、長谷和夫、ほか
※杉作さんの新刊『あーしはDJ』(イーストプレス)が発売中!
<隔週金曜日掲載>
画像/『青春の甘き香り』のタイトルロゴ
PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OOKAMINOHAKABA