どの国もまず最初に地域に存在する家庭医に登録。なんちゃらクリニックと呼ばれていて、昭和のクソ田舎の村にある診療所状態で、レントゲンも何もない。聴診器と椅子ぐらいしかないのだ。
ここにいる家庭医がイエスと言わないと専門医に行くことができないのだが、何でも診る医者なので、専門医になれない人間とか、ゆるふわママ医、外国人医者が多い。従ってヤブ医者率も高い。
例えばここ数年イギリスメディアで話題になっていたのは、髄膜炎を風邪や単なる体調不良と間違えられて重症化して子供が死んだ件だ。
家庭医の初期診療による振り分けは医療資源の無駄を省くという点では良いが、ヤブ医者に当たると命にかかわってしまうこともあるのだ。
この医者の権力は絶大で、絶対に避けたい死亡率が異様に高い病院とか、設備がベトナムの病院よりひどいところなどに振り分けられても文句を言う権利がない。嫌なら金持ちが行く私立に行けこの野郎と言われて終了である。
緊急の場合は総合病院にある緊急窓口に行くが、不特定多数が来るので、ここがまた実にヤバい。
自分が体験したのはイタリアとイギリスだが、イギリスの場合、頭から血を流して暴れているヤク中を取り押さえている警官、受付を怒鳴りつけている体重180キロぐらいの女、英語が分からず喚いている外国人移民(多分不法滞在)などがいて、まさに修羅の国だった。
そして緊急外来はどの国も待ち時間は数時間と長い。日本の緊急なぞはっきり言って甘い。欧州は、たまに待ち時間が長すぎて年寄りとか脳溢血、事故の人間が死ぬ。生き延びる可能性が低い人間は後回しが当たり前なのだ。
欧州は日本よりはるかに合理主義で、日本人の感覚だと超冷酷なので、年寄りや体が弱い人間の面倒は見ない。
死ぬのは寿命、お前が弱いから悪い、じゃあな、である。
救急車もすぐに来ない地域ばかりだ。当然搬送が遅れて死ぬ。しかし無料だから仕方ないだろうと言われて終わりだ。嫌ならてめえで全額自費の病院に行けということである。
無料病院のスタッフは外国人
欧州の無料病院は国営で、昭和の頃の日本の国立病院並のひどい設備で医者や看護師も待遇が悪いので、ろくな人間がいない。優秀な人間は私立の病院で自費治療の患者を相手にするので、公営は現地語さえ微妙な外国人の医者やスタッフだらけだ。
たまにそういう外国人が聞き違えて手順や投薬を間違える。実際自分がひどいインフルエンザで行った救急病院は、担当の医者がギリシャ人の元船医のおっさんで、英語が訛りすぎていて何を言っているのか意味不明だった。