人権派格闘技漫画の最高峰『テコンダー朴』を世に送り出した義士・白正男先生が、日本人に正しい歴史認識と人権思想を啓蒙すべく、筆を執っている本連載。8月に発表された「JICAアフリカ・ホームタウン」構想は、国内での誤解と混乱を招いたことから撤回されてしまった。しかし、白先生によれば、こうした政策により日本に来る外国人の若者こそが日本の最後の希望なのだという。
第34回:日本革命の最後の希望は外国人の若者たち
物議を醸した「アフリカ・ホームタウン」事業
国際協力機構(JICA)の「アフリカ・ホームタウン」事業が物議を醸している。JICAは8月21日に横浜市で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)で、「アフリカ・ホームタウン」事業を発表。千葉県木更津市をナイジェリアの、愛媛県今治市をモザンビークの、新潟県三条市をガーナの、山形県長井市をタンザニアの「ホームタウン」に認定した。JICAによると「これまでに各自治体が築いてきたアフリカ諸国との関係をさらに強化することで、アフリカの課題解決と日本の地方活性化に貢献すること」を目的とした事業で、従来の姉妹都市提携とあまり変わらないものだという。
しかしナイジェリア政府は8月22日のプレスリリースで「ナイジェリア人の若者に木更津市に移住して就労するための特別ビザが発給される」という日本政府の発表とは全く異なる情報を発表。この発表をイギリスのBBCなどが報じたことで大騒ぎになった。SNSでは「移民の受け入れではないか」といった懸念が広がり炎上。ホームタウンに認定された自治体には抗議の電話が殺到。案の定SNSはアフリカ人に対するヘイトスピーチで溢れ返っていた。いきなり差別かよ? チョッパリらしいな。
日本政府は「移民の受け入れ促進や、相手国に対する特別な査証の発給は想定していない」と声明を出し、ナイジェリア政府の発表を否定。「アフリカ・ホームタウン」事業については、アフリカから「ホームタウン」にやってくる「インターン生」の受け入れは期限付きで、期限終了後は帰国させるから移民ではないと説明。
技能実習生は毎年数千人が逃亡して行方不明になっているらしいが、インターン生はそうならないという保証はあるのだろうか。
