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「この漫画主人公の鬼畜さがとんでもない」古泉智浩のTOP3

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小林まこと著『I am マッコイ』は高校生の武田松恋が女子高生の新子と出会うことで物語が始まる。新子は素敵な男性と思って松恋と再会するのだけど、松恋は暴走族の総長で、再会したその日にラブホテルに連れ込まれて処女だったのに7回レイプされる。暴力やバイクの強奪など屁とも思わない外道かつ鬼畜な男が松恋なのであった。
小林まこと先生は『1・2の三四郎』で大ブレイクした後にこの漫画を手がけている。三四郎は決してお行儀のいい子ではないのだけど、青春スポコンの王道漫画で描かれなかった負の青春を大爆発させたであろうことがうかがえる。
ちばてつや著『のたり松太郎』も外道かつ鬼畜な主人公が大暴れする。スポーツ漫画の大家であるちばてつや先生だが、各作品で描かれる主人公はほぼ全員クズだ。その種目以外の長所がほぼなく、超絶に自分本位だ。主人公坂口は相撲部屋の縦社会にまるで迎合せず先輩を屁とも思わない。そしてとうとう先輩相手に大暴れして最初に入門した相撲部屋を破門になる。
ここにはトップアスリートに人格を求めてどうする? という批評的な主張が感じられる。そもそも競技において、他者に競り勝ってのし上がろうという人々だ。自分本位でなくては勝ち抜くことも、向上することもできない。他者を平気で踏みにじるような外道かつ鬼畜な側面がむしろなくては無理というものだ。
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文/古泉智浩

画像/『バクネヤング〔完全版〕』(松永豊和/小学館
初出/『実話BUNKA超タブー』2026年5月号

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