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PROFILE:
劇画狼(げきがうるふ)
特殊出版レーベル・おおかみ書房代表。プロ作家の単行本未収録作品の書籍化や書評、イベント司会、原画展企画などを行う。
X:@gekigavvolf
メリハリが効いたサイズ差で素晴らしい
バディ漫画ってなんだ!? 今回も企画の趣旨をイマイチ理解しないまま二つ返事で執筆依頼を受けたため、2人組のキャラクターが主役を張る作品ではなく、ただでさえヤバい作品危険度を狂気の拷問描写でブーストさせた『殺し屋1』の二郎と三郎、「バディ感」だけの要素ですべてが成り立っている『シグルイ』の舟木兄弟、狂気と愛嬌のバランスで『ゴールデンカムイ』の変態強度を支え続けた二階堂兄弟など、異常なコンビネーションを見せるヤバい双子/兄弟コンビを列挙してなんとかしてみようと思ったが、折角なのでもう一歩踏み込んで、「戸愚呂兄弟」(『幽☆遊☆白書』)のような「大きいほうの肩の上に小さいほうが乗っているコンビ」が出る漫画を全部バディ漫画だと決めつけ、様々な肩への乗り方を見ていきたいと思うし、ここまでの時点で「あ、シグルイの話をするのならそのまま「藤木と伊良子のことを書けばよかった」と思っている。
さて、この基準で選出すると真っ先に頭に思い浮かぶのは『アストロ球団』の明智兄弟だ。明智兄弟といえば、巨漢の弟・球八が小柄な兄の球七を放り投げ、すべての外野フライやホームラン級の長打を空中キャッチすることで、外野全フィールドを2人で守り切ることを可能にした名物バディだ。『アストロ球団』は最終話まで主人公チームが9人揃わなかったため、この2人の活躍がなければ『アストロ球団』が野球漫画として成り立たなかったのではないかと思われる作品の要だ(そもそも『アストロ球団』が野球漫画として成り立っているのかどうかについては一旦保留)。