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蛭子能収とヒロ・セキネ:根本敬の「蛭子能収タブーなし!但し『ぼぼ』は禁句」連載9

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第9回:この蛭子漫画がとんでもない

昨年、9月。青山のakionagasawa galleryで催し大盛況にして作品も完売した「蛭子能収最後の展覧会」展から約1年。7〜8月に、私の企画で「お前は黙ってろ!」というグループ展を同所でひらいた。

スージー甘金、友沢ミミヨ、佐川一政といった蛭子さん旧知の人々の絵が展示されたが、蛭子さんの絵は去年「最後の」と公言した通り飾ってはいない。

そりゃ飾れるものなら飾りたいが、もう本人にとっては絵筆をとることは苦痛なようなので描かせられないし、そもそも更に描けなくなっている。

会場には「蛭子さんの展覧会のため去年、初めて青山の洒落たギャラリーに足を運んだ」という人たちが少なからず今年も同ギャラリーに来てくれた。注目度が高かったのはヒロ・セキネという、記されたサインと日付けからしか分からない情報皆無の謎の画家(?)であった。ヒロ・セキネさんは1960年から84年まで膨大な量の「ふっくら」として「巨大なオッパイ」の女性の絵を描き続け、2年前に「業者」の方が「整理」に入ったところ発見され、私のところへ流れてきたのであった。

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ヒロ・セキネさんの絵は是非、蛭子さんにも見せたい、きっと反応するだろうと思って「エビスコイ、エビスコイ、エビスコイ、エビスコイ」とずっと念じていたら、最終日まであと数日というとき、事務所のスタッフの方々に両脇を支えられおぼつかない足取りで蛭子さんが来場したのであった。

スタッフの方が手を離すさんとコケそうに見えたので私は慌てて腕を掴んでおさえようとしたのだが、蛭子さんがぐらついて結果的にふたりでナカヨク手をつなぐような格好となり、それがカメラに収まりポストなどされてしまいどうにも気恥ずかしいものがあった。

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