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66本目・『実録三億円事件時効成立』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画その6…連載137

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66本目・『実録三億円事件時効成立』その6

小川真由美さんは鹿児島で亡くなった。
最初、孤独死と報じられたが鹿児島の病院で亡くなったようだ。
鹿児島には知人がおり、その知人を頼っての生活だったようなのでまったくの孤独ではない。
華やかな大スターだった頃を知る人には寂しい最後と見えるのかもしれないが。
どうだろう。
この世は一時として同じところに留まりはしない。
縷々転々。
生まれた命もいつかは尽きる。
賑やかな夜もあれば淋しい夜もある。
誰もわかってくれない。
誰かに話したい。
誰にもわかってほしくない。
朝があり昼があり夜がある。
咲いた花もいつかは落ちる。
その間のそれぞれがドラマであり物語であり喜びであり悲しみである。
ダイナミックである。
繊細である。
諸行無常。
色即是空。
いま生きている我々にとっていまはいまだがそれはもうたったいま過ぎ去っていく。
そして二度と還らない。
その時、そのとき。
ひととめぐり逢う。
ひとを好きになり燃え上がる。
その気持ちをたいせつにしたい。
それでいいじゃないか。
さっき食べたなにかがとてもおいしかった。
それでいいじゃないか。
いつまでも変わらないなんて難しい。無理だ。なにもかもが変わっていく。
涙も枯れる。
命も尽きる。
だが生まれてきた。
私は生まれてきた。
そしていま、自分のことをJなどと言い始めてる。
そのJも3年前のちょうどいまごろ。
8月末。
あと30分救急車が遅ければ命は戻らなかった。
医師からなんどもそう聞いた。
嘘ではないだろう。
救急車を呼ばずに。
119番せずに。
あのまま死んでたらいわゆる孤独死だった。
孤独だっただろうか。
私の人生は。
そうは思わない。
私の人生は決して孤独ではなかった。
(この項終わり)

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『実録三億円事件時効成立』(1975年、東映東京)

出演∶小川真由美、岡田裕介、平塚八兵衛(元三億円事件捜査本部キャップ・警視)、武藤三男(元警視庁捜査一課長)、南廣、絵沢萌子、浜田ゆう子、滝沢双、中田博久、田中筆子、松平純子、近藤宏、田島義文、河合絃司、杉義一、土山登士幸、福岡正剛、高月忠、六本木吉野、田中邦衛、金子信雄
企画∶太田浩児、坂上順
原作∶清水一行
脚本∶小野竜之助、石井輝男
撮影∶出先哲也
照明∶川崎保之丞
録音∶広上益弘
美術∶藤田博
編集∶祖田冨美夫
音楽∶鏑木創
監督∶石井輝男

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画像/『実録三億円事件時効成立』のDVDジャケ

PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OOKAMINOHAKABA

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