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「この漫画のバッドエンドがとんでもない」ロマン優光のTOP3

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漫画好きの識者の方々に、思い入れのあるバッドエンドを挙げてもらった!

PROFILE:
ロマン優光(ろまん・ゆうこう)
1972年生まれ。高知県出身。「ロマンポルシェ。」のディレイ担当。ソロのパンク・ロック・ユニット「プンクボイ」としても活動している。近著に『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』など。
X:@punkuboizz

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カルト宗教の信者たち

例えば最終決戦の後でヒーローが帰ってこないのはある種の様式であってバッドエンドというわけではない。その戦いが全く意味のないものであったことが判明したり、ヒーローの意思を誰も受け継がず敗北が確定したり、実はヒーローの側が「悪」だったような身も蓋もないどんでん返しが起こることで、バッドエンド感が生まれてくる。
たとえ主人公や世界が悲劇的な最期を迎えようと、そこに感動や美しさを感じさせるもの(永井豪『デビルマン』などのように)があればバッドエンド味はないものである。
希望に繋がるものが何もない、ただただイヤな気分になったり、感情が無になってしまうものがバッドエンドなのではないだろうか。
バッドエンドにもいくつか種類がある。
テーマにそって作者が意図的に計算して仕掛けるもの。ジャンルとしてはホラー、SF、悲恋もの、史劇系に多い。特にホラーはその性質上やたら多い。横山光輝『マーズ』、山岸涼子『天人唐草』といったバッドエンドの名作はこの領域から生まれている。
何らかの理由(打ち切り、モチベーション低下、広げすぎてたためなくなるなど)で作者が作品を続けられなくなり、まともに終われなかった場合。
主人公と結ばれたヒロインが自分の好きなキャラと違っていたなど、読者側がそう感じてしまう場合。個人的には横山光輝『バビル二世』で、人の心のないバビル二世より敵であるが人間味のあるヨミのほうに感情移入していたため、最終回で嫌な気分になってしまったことがあるが、これもそういうやつである。
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テーマにそった作者の演出が成功している作品としては、山本直樹の『ビリーバーズ』をあげておきたい。

それぞれ「オペレーター」「議長」「副議長」と呼ばれる3人の男女は無人島で互いの見た夢を解読しながら意味不明なミッションに励む。彼らがカルト宗教の信者であること、その集団が社会的に追い詰められることがわかってくる一方で、女性である『副議長』を巡り、3人の関係は信仰と欲望のはざまで揺らいでいく。そして、夢と現実が入り混じったような3人の生活は混迷を極めていく。

物語が終わった後に、1人こちら側の社会に残された「オペレーター」が見る世界は実に空虚で逃げ場がなく、読む者の感情が奪われていくような無常さだけがそこにある。

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