まず1つ目は、「情弱リストを作るのは簡単」と知らしめてしまったことだ。
堀江貴文が「前澤さんのお金配りは天才。あれで1000万人の養分データベースを作った」と指摘したように、裏社会の住人が喉から手が出るほどほしいバカ名簿が、「お金配ります」とツイートするだけでいとも簡単に手に入るのだ。詐欺師がやらないわけがない。
堀江は、「オレオレ詐欺に引っかかる人のデータと共通しているはずなんですよ。日本人ほとんどのバカのデータベースを取れているわけですよ、何を売っても売れますよ」とも語っており、前澤は期せずして犯罪者たちに天才的な手法を教えてしまったのだ。
小金を配れば情弱が動く
次は、「情弱は操れる」ということを広めてしまった点。
前澤はお金配りで自身のフォロワーを増やした後、「kifutown」(現「arigatobank」)というアプリに顧客を誘導したり、お金配りに食いついた人間にMZDAOなるオンラインサロンを宣伝し13万人もの会員を集めるなどしてマネタイズしていた。
前澤にお金をもらおうと集まった人間が、結局前澤に搾取されている図は滑稽であるが、対面すらしなくても情弱は思うがままに操ることが可能、そんな事実を証明してしまったのだ。
まさに闇バイトの構図である。
最後は「本当にお金を配ってしまった」点。
おそらく前澤は本当にお金を配っていたと思われるが、これがよくなかった。見ず知らずの人にお金を配るアカウントや人間が実際にあることで、怪しげな詐欺アカウントでももしかしたら本当にお金をもらえるのでは? と情弱は信じてしまうからだ。
お金配ります系アカウントがいまだにRTされるのは、前澤の実績があるからだろう。前澤のツイートをRTしているアカウントは、高確率で他のお金配りツイートもRTしているので見てほしい。
このように、前澤のお金配りビジネスと、闇バイトのシステムは非常に酷似している。
表の世界で商才を発揮した前澤を見て、裏の世界の人間がその手法を参考にした。表も裏もビジネスの構図自体は変わらないのかもしれない。