王と並ぶスター長嶋茂雄も日米野球で好成績を残している。
打率.295、打数200、本塁打5、打点27
200打席で約打率3割は、当時の日本人選手の中では突出した数値。ただ、メジャーの選手からは「打撃は良いが守備が下手」と評価されていたそうで、メジャーで1年間サードを守れたかは微妙なところだ。王ほどの活躍とは言いづらいか。
実は、ONを除くと日米野球で結果を出したバッターが一気にいなくなる印象だ(活躍したと言われている吉田義男も1955年だけで、通算では打っていない)。
例えば打撃の神様・川上哲二。
初出場した1949年のサンフランシスコ・シールズとのシリーズで、なんと打率0割台に抑え込まれている。14打数1安打1打点、5つの三振を喫する有様。
1949年の川上は選手としてもっとも脂が乗っていた時期。屈辱以外の何物でもない。通算成績も目を覆うばかりで、
打率.214、打数117、本塁打2、打点9
こんなのが神様だなんて、恥ずかしい……。
いやいや、張本勲ならアメリカ相手でも活躍していたはずだ。
なんせ、大谷翔平がメジャーに行く前は二刀流を批判したり、メジャーで活躍していたイチローより自分の方が上だと豪語していたのだから。
打率..250、打数128、安打32、本塁打2、打点13
び、微妙……。少なくともイチローや大谷に喝を入れられるような成績ではないだろう。
長嶋にライバル心を燃やしていた野村克也。
1965年に捕手として初の三冠王にも輝いた選手だが、メジャーに通用する気配もない。
打率.180、打数94、本塁打3、打点11
三冠王が泣いている。長嶋をライバル視するのもたいがいにしてほしいものだ。
このように、親善試合である日米野球であっても、低レベルの日本人選手が結果を出すのは難しかったことがわかるだろう。
ONの偉大さと、大谷翔平の活躍のすごさをあらためて実感するばかりだ。
【投手編】日本野球のレジェント選手はメジャーで通用したのか?
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写真/張本勲