経年劣化が早く機能性も最悪
「あまり色の落ちてない生ジーンズを清潔に穿いてるのって、格好いいんですけどね」(前出・31歳女)
「そうね。あれは確かに格好いいよ。でもさ、ノンウォッシュのジーンズって金がかかるんだよな。『ジーンズって育つズボンなんです』みたいなこと言うじゃない。それって正直、バリバリ色が落ちて劣化します』ってことじゃない」(前出・33歳男)
「ああ、判るかも。あれって小綺麗に保つのが難しいんですよね。小綺麗に穿き続けるためには、すぐ買い替えなきゃいけないから金がかかる」(前出・29歳男)
「逆に、色落ちしたジーンズが似合う日本人なんてほぼ皆無なんですよ。よっぽど細くて脚が長くなきゃ無理。チャレンジする方が無謀」(前出・33歳男)
「わぁ(笑)。ま、若くて貧乏な学生からしたら、ただでさえ貧乏なのに、なんでもっと貧乏に見えるズボンを穿かなきゃいけんのだって話なわけですね」(前出・29歳男)
「ちなみに機能性もかなり低い。梅雨の季節なんかに、ジーンズが雨で濡れると、なにより重くて貼り付くし、冬は寒く、夏は暑い。日本の気候に合ってませんよ」(前出・33歳男)
「ジーンズってあまり洗ってなくて、臭そうなイメージもありますしね」(前出・31歳女)
「笑」(一同)
ジーンズ=ダサイという現場の空気
かつてはジェームズ・ディーンだなんだとカウンターカルチャーの象徴的アイテムだったデニムジーンズ。ありていに言えば、デニムとはまさに「格好よいもの」の象徴でもあった。
しかし、今回、30歳前後のショップ店員たちがデニムを語る様子からは、決して「格好よいもの」に対する温度は感じとれず、「時代遅れの鈍重なもの」に対するかのような嘲笑さえも感じるほどだった。そりゃ衰退するよね、という話なのである。
取材・文/環よう