最終話は1話をなぞらえた構成
なんと、手紙を読み進めると、ボツになったD案を明かしているのだ。
そのボツ案とは、現在の世界線からだいぶ先の世界。ゴンの孫と思われるギンという少女が登場し、池の主を釣り上げる。ギンは「池の主を釣ったから約束通りハンター試験を受けない」とわがままを言い、ゴンの故郷であるくじら島で家族仲良く暮らす、というもの。
これは第1話でゴンが池の主を釣ってハンター試験を受けに行ったエピソードをなぞらえたもので、『HUNTER×HUNTER』を締めくくるには収まりが良い。第1話と最終話をあえて似せるというのは、よくある手法だ。ABC案もおそらく、D案と大きくは変わらないだろう。
冨樫も「未完のまま私が死んだらこれが結末だったということでご容赦いただけますと幸いです」と手紙の中で綴っていることも、それを補強する。
しかし、である。そこは天才・冨樫義博。我々をもっと驚かす、「E案」も期待したくなる。
いずれにしろ、『HUNTER×HUNTER』の最終話と、連載再開がより楽しみになるニュースであった。
文/岡星漫太郎
画像/少年ジャンプ公式サイトより