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めいろまルポ クルド人が多数住む埼玉県〝ワラビスタン〟に行ってみた

社会
2023年7月、100人のトルコ国籍クルド人が乱闘を起こした「川口市医療センター」。きっかけは女性を巡るトラブルだったらしい。
社会
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元国連職員という異色の経歴を持つ著述家の「めいろま」こと谷本真由美が、埼玉県の移民地帯を歩きレポートする本企画。後編は治安の悪化が報道されることもある埼玉県蕨市にあるクルド人街、通称ワラビスタンに訪問。そこで取材班が目にした真実とは――。
※当記事は後編記事です。前編記事「めいろまルポ 中国人が多数住む埼玉県芝園団地に行ってみた」はこちら

PROFILE:
谷本真由美(たにもと・まゆみ)
1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。シラキュース大学大学院にて国際関係論および情報管理学修士を取得。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X(旧ツイッター)上で「めいろま」として舌鋒鋭いポストが注目を集めている。累計48万部の『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックスPLUS新書)など著書多数。
■X(旧Twitter):@May_Roma

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昭和の懐かしが漂うキレイな街

前編「芝園団地編」では、日本に馴染もうと努力する中国人の団地住民たちの姿をレポートした。そして今回、我々取材班は、JR蕨駅周辺の通称・ワラビスタンと呼ばれる地域に足を運んだ。特に蕨駅東口の大通りから入った地域は少数民族のクルド人が大勢住んでおり、地元住民との対立がメディアに度々取り上げられている。

ところが、話題のワラビスタンは、日本国内のいわゆる移民が多いと言われる地域とはずいぶん空気が違った。新大久保のコリアンタウンや群馬県のブラジル人が多い地域と比べても、雑然とした雰囲気がまったくなく、通りに並ぶ店舗の多くは、かなり昔から営業しているであろう日本の店だ。

昔ながらの八百屋や個人経営の小さな自動車修理工場、インテリアのお店、大衆食堂などがポツポツと並んでいる。昭和の懐かしさが漂う、キレイな街という印象だった。

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朗らかな気持ちになるケバブ屋

駅から10分ほど歩くと、ケバブ屋などのクルド人系と思われる店がやっと現れた。昼食を兼ねて、蕨駅近くにある有名なケバブ屋「ハッピーケバブ」に入店。

驚くべきことに、この店はすっかり地元に馴染んでおり、実にオープンで明るい雰囲気の店だった。エスニック料理店特有のなんとなく入りにくい空気は皆無。先客の若いクルド人のガテン系兄ちゃんたちは、ちょっと年がいっている我々を見て「どうぞどうぞ。こちらへ!」と、すぐに席を譲ってくれた。彼らは非常に礼儀正しく、年功序列精神が叩き込まれているようだ。お店の従業員の男の子も実に懸命に働いている。

ケバブだけでなく、本格トルコ料理も食べられるハッピーケバブ。礼儀正しい店員さんが一行をおもてなししてくれた。

かつて筆者はトルコに滞在していた時期があり、そこには同僚にイラクやトルコ出身のクルド人もいたので、彼らの家庭の多くが伝統的で礼儀にうるさいことを知っている。ここワラビスタンの若者も、10代そこそこの若さで日本人の若者顔負けの礼儀正しさを持ち合わせているので、周囲の人々の面倒見の良さがうかがえた。こんな真面目な外国人はなかなかいない。

そして、日本人に対してかなり気を使っている印象を受けた。これは他国の移民だらけの地域で、地元民が塩対応されるのを見てきた筆者としては実に驚くべきことだ。

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