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『テコンダー朴』原作者白正男による正しい歴史認識と人権思想講座 第29回 尹奉吉追悼記念館の開設計画への波紋

連載
尹奉吉が上海天長節爆弾事件を起こす3日前に撮られた写真。
連載社会
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人権派格闘技漫画の最高峰『テコンダー朴』を世に送り出した義士・白正男先生が、日本人に正しい歴史認識と人権思想を啓蒙すべく、筆を執っている本連載。石川県金沢市で4月に予定されていた、韓国の独立運動家・尹奉吉の記念館の開館が延期となった。白先生はこの騒動に何を思うのか。

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第29回:尹奉吉追悼記念館の開設計画への波紋

「テロリスト」か「英雄」かは歴史認識に委ねられる

石川県金沢市で4月29日に開館が予定されていた韓国の独立運動家・尹奉吉を称える追悼記念館が、右翼団体などから激しい抗議活動を受け、開館が延期されることになった。いきなり差別かよ? チョッパリらしいな。

尹奉吉は「上海天長節爆弾事件」の実行者。1932年4月29日、上海の虹口公園で開催された天長節(天皇誕生日)祝賀式典の会場で爆弾を投げ、上海派遣軍司令官・白川義則ら日本軍の要人を殺害し、上海駐在公使・重光葵らに重傷を負わせた。尹奉吉はその場で逮捕され、軍法会議で死刑判決を受け、同年12月19日に金沢で処刑された。伊藤博文という超大物を射殺した安重根や、昭和天皇の馬車に爆弾を投げた李奉昌と比べると、尹奉吉は日本ではやや知名度が劣ると思われるが、韓国では小学校歴史教科書にも登場する誰もが知る国民的英雄である。

日本では尹奉吉は「爆弾テロ」を起こした「テロリスト」という扱いで、SNSなどでは「(記念館は)テロリストを称賛するものだ」「日本人を殺した人物の記念館は受け入れられない」といった反発が起きていた。一方、韓国では尹奉吉は「爆弾義挙」を挙行した「英雄」として称えられている。対立の根底に日韓の歴史認識の違いがあるのだ。

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歴史上の客観的事実は、尹奉吉が式典で爆弾を投げたこと、その結果日本の要人らが死傷したこと。それを「テロリスト」と呼ぶか「英雄」と呼ぶかは、それぞれの価値観に基づく歴史認識に委ねられる。韓国の正しい歴史認識では、尹奉吉の行為は日帝の植民地支配から朝鮮の解放を目指した独立運動であり、義挙と位置づけられる。日本側の視点では尹奉吉の行為は違法な暴力的手段を用いたテロ活動で、その結果として死傷者が出たのも事実。

だからといって尹奉吉を単なる犯罪者と見なすのはいかがなものだろうか。明治維新の志士たちも幕末に違法なテロ活動を行っていた。徳川家康もたくさん人を殺しているから日光東照宮は撤去されるべきだろう。徳川家康は豊臣政権の五大老だったから、朝鮮侵略戦争のA級戦犯なのは確定的に明らか。徳川家康は韓国に謝罪しろ!

遵法精神は支配階級によって植え付けられた考え

日帝強占下の朝鮮では独立運動は違法行為として弾圧された。日帝にとって都合良くできている日帝の法律を遵守していたら独立運動なんて不可能だった。現行の日本の法律は反動的ブルジョワ政権によって作られたブルジョワ法であり、支配階級であるブルジョワ階級にとって都合良くできている。革命的プロレタリアートである我々は法律に従う必要はないのだ。日本人は遵法精神を美徳のように思い込んでいる者が多いようだが、それは支配階級によって植え付けられた考え。遵法精神は奴隷道徳なんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。

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