オリジナル。
生きているという事実。
誰にも忖度しない、誰にも譲れない、自分の人生。
物語の中でもがいたのは水谷豊演じた主人公。
悩んだ。
苦しんだ。
泣いた。
高橋明や阿藤海の機動隊員に突き放されてひとりぼっちになったのは主人公だが見ている観客の自分だ。
自分の深淵に手を伸ばし続ければ届くのは誰かの手だ。
自分は長谷川和彦監督の映画からそれを教えていただいたと思っている。
そして、その行為こそがリアルな感覚として誰かに届く。
逆にいえばいくら口当たりがよかろうと、まともなこと言ってるように見えようと、やさしい、物わかりのいいふりをしようと、公正な正義に見せようと、届かない。少なくとも自分には届かない。
私も7年前にラジオの生放送を始めたとき。
他の仕事を諦めてわざわざやるのだから。もうこんな機会は二度とないだろうと思ったから他を諦めたのだが。とにかくわざわざやるのだから。
そのときこだわったのは誰もやってないことをやろう、誰かがやってることではわざわざやる意味がない、だった。
『青春の殺人者』から学んだことだ。