PR
PR

バンドTシャツ論争:ロマン優光連載398

連載
連載
PR
PR
PR
PR

398回 バンドTシャツ論争

そのバンドの曲自体は聴いたことがない、どういうバンドかも知らない、下手したらそれがバンドTシャツであるということも知らないのにファッションの一つとしてバンドTシャツを着ることに対する議論が定期的にSNS上で盛り上がるわけで、最近もまたいつものように盛り上がっていた。

編集氏からバンドTシャツ論争についてどう思うか聞かれたわけだが、個人的には好きにすればいいと思うし、それで話は終わりになるのだが、冒頭数行で終わってしまうのもなんなのでもう少しこの問題について考えてみるとバンドやそのファンの側からの反発が生じる場合があるというのは別にしても、リスクが生じる場合もあるのは理解しておいた方がいいと思う。

バンドTシャツを着るということは、ロゴがカッコイイからと関係ないのにファッションとして実在の大学のロゴの入った服を着るのと同じ。愛校心溢れるその大学の卒業生に「僕も卒業生です!」と熱烈に話しかけられても仕方がないし、下手したら相手が怒りだすことにもなりかねない。その大学とライバル関係にある大学の卒業生から敵視されるかもしれない。愛校心とか愛バンド心というものはめんどくさいものなのだ。

バンドTシャツというのはグッズの一つであるわけだが、そのバンドの表現や思想が反映されているものなわけで、その文脈から切り離されて消費されることを不快に思うバンドマンは当然いる。

また、バンドTシャツを着ることは音楽やメンバーのファンであることを表明するというだけに留まらない意味を帯びていることもある。バンドの音楽だけではなく、そのバンドの思想や姿勢込みで支持していることへの表明やバンドへの忠誠心めいたものの表明である場合もあるわけで、文脈から切り離して消費することはバンドやそのバンドの支持する思想や姿勢に対する侮辱であると受け取るファンもでてくるわけだ。パンクやメタル、アンダーグランドよりのバンドだとその傾向は強くなる。

PR

ユニクロとかで売られているような有名バンドのTシャツはちゃんとバンド側にお金が落ちるので、あそこで売られているものに関してはそういう消費のされ方を権利者がうけいれたということなのだろう。それでも、メンバーが故人の場合、本人の志向からいって、それを受け入れなかったはずだという意見が出てくることもあるだろう。

古着屋でヴィンテージTシャツとして高い値段で売られている場合、バンドにはお金がはいるわけでもないので腹立たしく思うメンバーもいるだろうし、そういったもので金儲けをしていること自体に腹立たしさをおぼえるメンバーもいるだろう。

単純に儲けがどうこうという下世話な話だけではなく、反音楽産業・商業主義的のスタンスで活動していたバンドのTシャツにプレミアがついて高額で取引されていたりすると本人たちにとっては腹立たしい限りだろうと思う。

Tシャツがそもそもブートの場合もあるし。昔はハードコアパンクやメタルのバンドのブートTシャツがレコード屋やロックファッションの店でいっぱい売られていたと思う。

タイトルとURLをコピーしました