401回 Netflixのドラマ『ガス人間』が面白いのに番宣配信の出演者に困惑
Netflixのドラマ『ガス人間』。7月2日から配信開始されたのだが、めっぽう評判がいい。
東宝の変身人間シリーズ第三作である『ガス人間第一号』のリブートであり、脚本に『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ。監督が『岬の兄妹』『ガンニバル』の片山慎三。VFXに『ゴジラ-1.0』の白組。
キャストに『クローズZERO』の小栗旬、おはガールで奈良沙緒理やベッキーと同期だった蒼井優、『クローズEXPLODE』の広瀬すず、『ROAD TO HiGH&LOW』、庵野秀明の『シン』シリーズの竹野内豊、ニュー・ウェイヴ好きで知られる『ZIPANG』の高嶋政宏、ピエール瀧さん。
キャリアの紹介部分が何かおかしい気もするが、それは私の趣味性の反映というところで気にしないように。
色々と筆者の好きな要素が多く、実際に見てみるとやはり面白い。
変身人間シリーズはスリラーにSF要素が加味された人間ドラマを重視したシリーズだった。
原作のそれを踏まえた上で、ガス人間の存在によって社会の歪みが白日にさらされていく展開となっており、ゾンビなどの超常的な存在によって社会が崩壊していく様を描いてきたヨン・サンホらしさがある。
障害を持つ兄妹の日常を描いて高い評価を受けた『岬の兄妹』の片山が監督というのは意外だったのだが、彼が師事するポン・ジュノもかつて『殺人の追憶』『グエムル–漢江の怪物–』といったジャンル・ムービーの中で社会への批評性の高い作品を撮っており、そういったことをやろうとしているのかなとも思ったし、実際に成功しているのではないだろうか。
冒頭、モーリー・ロバートソン演じる佐野久伍教授(この作品が彼の遺作になるのだろうか)が謎の爆死を遂げる様子にまず驚くのだが、白組のVFXは作中効果的に使われている。
竹野内のやくざ、高嶋のうさんくさい監督の怪演も光っており、本人たちも楽しかったんだろうなと思う。
小栗の演じる刑事のどこか疲れたような佇まいもかっこよさ。この作品で俳優デビューをするガス人間役のUTAの両親である本木雅弘・内田也哉子のルックスを足したような非日常的な容姿と不思議な演技。広瀬・林の演じるオカルト系配信者の兄妹のコミカルな様子もよい。あの兄妹のかわいらしさは重要である。
個人的には芋生悠が演じる小栗の後輩刑事である阿部美智子が気に入っている。
些末なことではあるが第4話に登場する地下アイドル・ドリームサキュバスのMVがわざわざフル尺で製作されてYouTube上で公開されているのだが、これが楽曲・映像の感じともに解像度が高く(劇中の感じだとその規模のアイドルにしては映像が少し豪華な感じもするが)、その微妙にダサい感じが「20年代前半にこういうタイプの地下アイドルいたよな」と素直に思え、劇中のメンバーの感じを含めて映像作品上に登場する地下アイドルとしてはかなり上位の出来栄え・解像度だと思う。実際に地下アイドルとしてトップクラスではないけれどド地下でもないクラスの地下アイドルの経験のある人が数人メンバー役に含まれていて、それもリアリティを増した要因かもしれない。
