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47本目・『日本の仁義』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載79

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二本立てだったが客席にいるやくざ(みたいな人や本職の人が本当にいた)が怖かったのだ。いや、やくざは怖くないかもしれないが、その予備軍みたいな若者(といっても当時は年上)からその頃カツアゲされたことがあった。そのときは全力で走って逃げたのだがたまに街を歩いてたりするとその若者たちを見た。映画館でもいっしょになったことがある。よりによって『グレートハンティング』(ライオンが人間を襲うシーンで大ヒットした洋画)だった。

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その日。

見ていたのは『日本の仁義』ではなかったかもしれない。だがこの手の、実録やくざ映画の一本だった。

二本立てだから休憩のあともう一本見れたのだがなんかいやな予感がして映画館を出たのだ。もったいないけど出たのだ。

太陽かまぶしかった。

どこかからテレビの音が聞こえてきた。

NHK『のど自慢』だった。

いま、俺はその世界にいる。

あの暗闇の中にまた行けばあの世界に行けるだろうか。

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千葉真一が笑っていて、菅原文太が飲んでいる。

川谷拓三が転んでいて、成田三樹夫が肩をゆすっている。

渡瀬恒彦が凄んでいて、室田日出男がとぼけている。

アリスは何十年後に不思議の国に行けるのだろうか。

『日本の仁義』(東映京都/1977)
出演/菅原文太、岡田茉莉子、千葉真一、川谷拓三、林隆三、野坂昭如、地井武男、矢吹二朗、曽根晴美、待田京介、橘麻紀、キャシー中島、池波志乃、石橋蓮司、志賀勝、中川ジュン、名和宏、織本順吉、山本麟一、小松方正、北村英三、小田部通麿、野口貴史、西田良、高並功、国一太郎、広瀬義宣、阿波地大輔、唐沢民賢、片桐竜次、成瀬正孝、内村レナ、秋山勝俊、大木晤郎、奈辺悟、岩尾正隆、東竜子、松本泰郎、司裕介、藤沢徹夫、鳥巣哲生、笹木俊志、池田謙治、細川ひろし、木谷国臣、宮城幸生、五城影二、友金敏雄、白井滋郎、勝野賢三、小峰隆司、城達也(ナレーター)、フランキー堺、佐藤慶、成田三樹夫、岡田英次、南田洋子、藤田進、鶴田浩二
企画/俊藤浩滋、佐藤雅夫、上阪久和
脚本/神波史男、松田寛夫、中島貞夫
撮影/増田敏雄
照明/増田悦章
録音/荒川輝彦
美術/井川徳道
編集/堀池幸三
助監督/藤原敏之
演技事務/西脇節生
特技/宍戸大全
擬斗/上野隆三
音楽/青山八郎
監督/中島貞夫

<隔週金曜日掲載>
画像/『日本の仁義』DVDパッケージ

PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OTOKONOHAKABA

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