「そうなるのは当たり前の話。そんな団体に都民の大事な血税を使えるわけがないやんか。その少し前には、仁藤さんは沖縄県の名護市辺野古での座り込みデモにも参加してたけど、そこにも都からの助成金が使われてた可能性も十分ありえるやろな」
だが、玄さんが一番に疑問視しているのは、こうした騒動の結果、本筋の少女たちへの支援がおざなりになっていないか、という点だ。
「裁判に夢中になってColaboに対する批判がつのり、煉獄コロアキと埼玉の市議会議員がピンクバスに妨害に行ったりもしてた。それで都は昨年3月からは新宿でのバスカフェ活動の中止を指示もしている。裁判なんかなくて、バスカフェも平常運転してたら飯をもらえた少女もいたんちゃうか」
「誰を助けたいかを見極めて、その仕組みから変えていくための現実的な方法を選ぶのが正しい戦い方だ」と語る玄さんは、実際に若い女性から大金を搾取するホスト問題にメスを入れた張本人だ。昨年11月にカリスマホストのROLANDが、運営するホストクラブでの売掛を禁止にすることを発表したり、新宿区内のホストクラブ約300店舗のうち、約220店舗が加盟するホストクラブ18グループが今年4月までに売掛金をなくすと発表したのも、玄さんのこれまでの活動が実を結び始めた形だ。
一方、仁藤氏はいまでこそ「ホスト反対」を掲げているものの、過去には「ホストはキモいおっさんと違ってちゃんと女のコに寄り添える存在」といった主張をしていた時期があった。
「その論には断固反論する。異性関係の薄い少女がコロっとホストの食い物にされていく実態や手口をまるでわかってない。21年間も歌舞伎町に拠点を構えてその現実を見てきた俺だから、今回だって4月の売掛撤廃発言までこぎつけた。外野が適当なこと言っているのは気に食わない」
Colaboにかぎらず、歌舞伎町の問題をネタにして助成金や寄付金をふんだくるNPOや一般社団法人はやたらと多いという。