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鈴木エイト&畠山理仁:2024年の三大選挙から浮き彫りになった選挙の問題点

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東京都知事選、衆議院選挙、兵庫知事選と、話題になる選挙が目白押しだった2024年。これらの選挙について、ジャーナリストの鈴木エイト氏と、選挙ウォッチャーの畠山理仁氏が振り返り、問題点を分析しました。
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公平性が揺らいだ兵庫知事選

――まだ記憶に新しい、昨年11月17日に投票日を迎えた兵庫知事選。自らの当選は目指さず、斎藤元彦氏の応援の意味で出馬し「2馬力選挙」を繰り広げた、NHKから国民を守る党(以下、N国)の立花孝志なども話題になりました。お2人も現場に行かれたそうですが、どんな様子でしたか。

畠山理仁(以下、畠山) 私は告示日(10月31日)と中盤、それから投票日近辺の計3回、現地の様子を見に行きました。最初の頃は斎藤氏の支持者だけで、演説も静粛な雰囲気で行われていましたが、中盤からは「斎藤はパワハラをしていた」といった横断幕を持った人たちが現れ、それに対して口汚い野次を飛ばす層もいました。終盤は怒号の飛び合いで、もみ合いになって私服警官に捕まる人も出ていましたね。あと、選挙演説を聞きに来る層にも違いが見られました。経験上、選挙の聴衆は男性が多いものですが、今回は女性率が伸びていて、年配の方もいましたね。

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鈴木エイト (以下、鈴木) 僕は斎藤氏の登場前に先に演説して聴衆を温めていた立花孝志の話を聞いていたんですが、内容が本当にひどかった。聴衆に対して「この中で新聞取ってる人~?」と聞いてパラパラとしか手が上がらなかったあとに、「そうでしょ? じゃあYouTube見てる人~?」と聞いたらたくさんの手が上がる、というくだりがあったんです。それで、僕がその様子を後日発信すると、あたかも「鈴木エイトが、あの演説には新聞を読まないバカしかいないと主張している」と曲解して拡散する人が。ありのままを伝えただけなのに、わざと炎上させるほうへ持っていくような人たちがいるなと感じましたね。

畠山 全体的に謎の一体感が醸成されていましたよね。「斎藤元彦は不当に知事を辞めさせられたんだ!」「立花孝志さん、真実に気づかせてくれてありがとう!」といった感じで。そうした人たちに話を聞くと、情報源の多くが立花孝志氏のYouTubeやXでした。やはり立花氏の発信は回数も多いし、既存メディアに不信感を持っている人にとっては刺激的で拡散したいと思わせる面があったんでしょう。その結果、選挙権のない兵庫県民以外の人まで現地に訪れるほどの熱狂ぶりでした。立花氏は根拠のないデタラメも発信していましたが、それでも選挙中に堂々と言われ続けていたら、本当だと信じてしまう人が出てくるのは当然だと思います。もちろん、証拠のない話ばかりなので既存メディアは立花氏の言うことを報道しないわけです。それすらも「斎藤元彦さんのパワハラをあんなに叩いたメディアが口をつぐんだということは、何か裏がある。やはりパワハラは誤報だったんだ」なんて勘違いしていく聴衆もいました。

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