立ちんぼに寄り添った支援を
最後に、6年ほど前から大久保公園に通い、4桁に近い数の立ちんぼを買ってきたという男性·ハンター氏にも意見を聞いてみた。
「個人的にも世間で見られる立ちんぼのイメージと、彼女たちから聞く思いは食い違っているなと実感してますね。たとえば僕が立ちんぼ女子からよく聞くのは、ホテルでの行為後に『こんなこと、続けてちゃダメだよ』『親が泣くよ。自分の身体を大事にしなよ』と言ってくるおじさん。まず、『ならお前ら買ってんじゃねーよ』って話ではあるんですけど、おそらく買春してない人でも、立ちんぼと接した多くの人がそんなことを言いたくなるんじゃないかと。けど、僕の肌感だとやはり『人並みに贅沢な暮らしがしたい』『ホストなどでいい思いをしたい』って意思で自ら立ってるコが大半なので、そうした事後のおじの説教も、何にも耳に入らないみたいです」
では、政府や支援団体などは、今後どう動いていくのがベストなのだろうか。
「現在も行っている団体さんはありますが、やはり無料の食事やゴム、冬場はカイロの提供などは、その場ですぐに役立つものなので受け取るコは半分くらいはいる感じがします。けど、やっぱりそうした団体は、なんとなくうさんくさいイメージが強い。まずはそこを払拭しないと彼女たちの心は開かれないのかなと。あとは、許可もなく立ちんぼを晒す配信者を撲滅したり、彼女たちに暴言を吐きにくるような輩などを整備してくれることも助かるはず。やはり救いのないコにとって、『人生が変わるかも』と期待して歌舞伎町に流れ着いてしまうのは仕方のないことだと思うので、いざ来たときにできるかぎりは怖い思いをしなくて済むような対処が望まれていると思う。逆に、急にホストを全滅させるなど、彼女たちの生きがいをいきなり奪う行為は、最悪自殺者が出るリスクまであるので注意が必要だと考えてますね」
彼女たちの真意に寄り添った支援が求められる。
文/田中慧