そんな人生を歩んできた渚さんだからこそ、支援団体への憤りは大きいようだ。
「だから、支援団体の人がゴムとか食事、寝る場所をタダでくれるのはたしかにありがたいし勝手だけど、それで何か良いことした気にならないでほしい。私たちの気持ちの何を知ってるの? って。本当に救いたいなら、私の人生を全部ちゃんと見てよって思います」
世間に望むこともあるという。
「私はいま、月200~300万円もホストに使ってます。それって、この界隈でもけっこう頑張ってるほうなんですけど、それを褒めてくれるのは歌舞伎町の人間だけ。昼の社会の人間は褒めてくれないし、『なんでそのお金を貯めてマンションでも買わないの?』なんて見当違いなことを言う。もし実際に買うにしても、そのお金を貯めている間に担当と会えない期間ができることすら考えたくないって人間なんです。まずは、体ひとつでそんな額を稼ぐほどの根性を褒めてほしいし、そんな考えの奴もいるって現実を認めてほしい。けどみんなどうせ、否定から入るでしょ? なら人種が違うんだから勝手にさせてってのが本音です」
「あと政治家も、私たちを救いたいっていうなら、まずは話をしに来てほしいです。難しいことはよくわからないけど、国の使途不明金とか、都庁のプロジェクションマッピングなんてしてるお金があるなら、私みたいな悲惨な家庭を1つでも多く見つけて子どもを救ってあげてほしいし。コラボも名前は聞いたことあるけど、誹謗中傷やら変な裁判で熱くなってる暇があるなら、私たちの話を上っ面じゃなくちゃんと聞いて、社会を本気で動かしてほしいって思います」