問題の動画では、上垣アナがイジられたときに「え? 僕のことですか?」と聞き返すムーブもうまかった。確実に聞こえてるはずなのに聞き返すことで、抵抗を見せてるよね。それ以降も淡々と答えることで、絶対に面白い空気にさせないぞという意志が伝わった。これだとイジってるほうが悪く見えるし、案の定そういう結果となった。これぞ〝被害者ムーブ〟である。
やす子がフワちゃんを芸能活動自粛へといざなった〝被害者ムーブ〟も見事だったけれど、これからの時代は、物事を深く考えない傍観者を味方につける〝被害者ムーブ〟をスムーズにとれる人が優位になるんじゃないかな。
初出/実話BUNKAタブー2025年1月号
PROFILE:
箕輪厚介(みのわ・こうすけ)
1985年東京都生まれ、早稲田大学卒。2010年双葉社に入社。広告営業などに携わった後、編集部へ。『たった一人の熱狂』見城徹/『逆転の仕事論』堀江貴文などを手がける。2015年幻冬舎に入社、書籍レーベル「NewsPicksBook」を立ち上げ、編集長に就任。『多動力』堀江貴文、『日本再興戦略』落合陽一、2019年に一番売れたビジネス書『メモの魔力』前田裕二など次々とベストセラーを手がける。自著『死ぬこと以外かすり傷』は14万部を突破。クラウドファンディングにて1000万円を集め、雑誌『サウナランド』創刊。様々なブランドとコラボレーションをおこなったり、各地でサウナランドフェスを開催。2021年のSaunner of the Yearを受賞。