組織ぐるみで自らの女子アナを献上したのではないかという中居正広問題。1年前に燃え盛った松本人志を超えて、今やフジテレビという会社を揺るがす大問題となっている。何か確実にあったのだがそれが何かは本人の口からは語られていないため、あることないことが雪だるま式に膨れ上がり、フジテレビを押しつぶしてしまいそうだ。ひょっとしたら社屋の巨大な玉はその象徴だったのかもしれない。
性加害、特に権力の勾配が関係するそれはここ最近大きな問題になっているが、そのトップ3はジャニーズ、松本人志、そして今回の中居正広だろう。そして中居正広はほか2つの事件にも緩やかにつながっているのがまた印象深い。松本と中居の番組のディレクターが今回の女衒役との噂だ。
そしてジャニーズ問題。もう数十年前になるが、元ジュニアが書いたジャニーズ暴露本で印象的なフレーズがあった。
曰く、「ジジイからの性加害に耐えないと芸能界で生きていけない、のではない。ジジイからの性加害なんて何でもない、と思えないと芸能界で生きていけないのだ」と。
おそらく芸能界といえどそんなのは昔も今もごく一部だろうが、ジャニーズ事務所という世界ではそれが半ば常識だったのではないか。そして今もそれが常識の世界が存在するらしい、という衝撃が今回の騒ぎがここまで大きくなった理由ではないだろうか。
中居正広自身がジャニー喜多川から性加害を受けたかどうかは本人以外おそらく誰も知らない。だが「そんなことは何でもない」という意識でこれまで生きてきたのだろう。そしてそれが今回の事件の遠因になっているのでは、というのは穿ちすぎだろうか。
ジャニー喜多川:サムソン高橋連載1
松本人志:サムソン高橋連載6
大谷翔平:サムソン高橋連載7
頂き女子りりちゃん:サムソン高橋連載8
PROFILE:
サムソン高橋(さむそん・たかはし)
鳥取県出身。ゲイ雑誌『SAMSON』 編集部で編集者およびライターとして勤務し、同社の『SAMSON ViDEO』も制作。2002年に退社。その後はフリーライターとして活動。能町みね子と同棲生活をしている。主な著書に、『世界一周ホモのたび』(ぶんか社)シリーズ。
twitter:@samsontakahashi