249回 君たちはどう生きるか
宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』を観に行った。「宮崎監督の新作を映画館で封切り時に観る機会はこれが最後かもしれない」という感慨めいたものがあり、それで足を運んだ部分もあったのだが、実際に作品を観てみると、そんなものとは関係なく「観に行ってよかった」と思わせられる作品だった。普通におもしろかったからだ。
公開予定日とポスタービジュアルが発表されているだけで、通常のプロモーションが全く行われず、作品の内容、出演者やスタッフに関してもほぼ情報が公開されないという異例のプロモーションが行われていた作品であり、公開日以降も公式から詳しい作品内容については発表がない。
そこまで意図的にやってきた作品について、インターネット上の無料コラムという誰でも見ることができる場で、公開してからまだ時間もたってないのに、あらすじを説明しながら内容を語るというのは野暮の極みであろう。そういうわけで、内容について具体的に触れないようにしながら、作品を観て思ったことをいくつか書いていこうと思う。