本人が「パイプカットして千人斬りする」と豪語したほど、女優やタレントを食い散らかしていた松方。第7期日活ニューフェイスの西尾三枝子は、マネージャーから「夜中にホテルのドアをノックされて、覗き窓の向こうに松方弘樹がいたら絶対に出ちゃダメ」と釘を差され、元大映女優の南美川洋子は18歳のときに松方から「洋子、今晩お前を抱くからな」と言われ、部屋のドアにバリケードを作り、震えながら夜を過ごしたという。
これらの告発が今の時代にされていたら、晩年の松方は病いだけでなく、世間からのバッシングとも闘うことになっていただろう。
梅宮を兄貴分として慕った安岡力也は、さらに早い12年4月に他界。訃報に触れた関係者からは、「ああ見えてシャイでとても優しかった」(稲川淳二)、「飲み会で金がないときに貸してやると、翌朝返しにくるような律儀な男だった」(堺正章)と、ありがちな美談が語られたが、イタリアンマフィアのドンの次男坊が「優しくて律儀」なだけで済むわけがない。
初体験は小6のとき、中学では女性教師を輪姦し、その流れで教師を自分の女にした。
梅宮の誘いで映画界に入ると、宿泊施設で入浴中の女優を襲い、大学生のレイプ事件が話題になれば、「レイプするにも、ちゃんとやんなきゃだめなんだよ」と得意気に強姦指南。
いずれも噂話ではなく、公然と本人がインタビューで語った実話だ。優しくて律義な男はどこに?
グループサウンズから俳優へ。歩んできた道は似ているものの、性加害のスタイルは安岡とまったく異なったのが、19年3月に68歳で亡くなった萩原健一。
濡れ場の撮影で、着衣や前バリを決して許さなかった萩原。全裸を拒否して降板させられた若手女優も、1人や2人ではないという。いわく、「前バリをつけていたら、リアリティーが出ない」とのことだが、疑似でも挿入しているように見せるのが演技というものだろう。リアルなセックスがしたいなら、AV男優にでもなればいい。
降板という恐怖をチラつかせながら、嫌がる女性の生マ○コに生チ○ポを押し当てていたのだとしたら、その非道ぶりはジャニー翁となんら変わりがない。
今からでも遅くない、「昭和俳優被害者の会」を結成せよ! ヤリ得逃げ得を許すな!!
音楽業界はセクハラ野郎ばかり
世間のルールや倫理観から外れた者の多さでは、音楽業界も負けていない。
その「ズレ」を作品やパフォーマンスに封じ込めることができれば、唯一無二のアーティストにもなり得るのだが、日常生活で発現してしまうと、単なる「無法者」、ときには「犯罪者」にもなりかねない。
2011年5月、交際していた50歳女性会社員を脅迫し、強要未遂と住居侵入の容疑で逮捕されたのは、当時71歳の内田裕也。
半月後、起訴猶予処分で釈放された内田は会見を開き、関係者に謝罪するとともに反省の弁を述べたが、謝罪を主旨とした場であるのにエルヴィス・プレスリーの『マイ・ウェイ』にノッて登壇したり、ステージ場で片膝をついたポーズを取ったり、被害女性に対する思いを訊かれて「ロックンロールに免じて、ひとつ勘弁してください」と答えたり。理解に苦しむ言動を見る限り、反社会的なズレが改善されたようには見えなかった。これを面白いと持て囃した人も同罪だ。