参政党は基本的に街宣でもネットでも攻撃的な言動を避け、耳当たりの良い穏当な表現をする方針がイメージ戦略としてとられており、一般の支持者を除けば、党の役職にある人間、各選挙の立候補者のような人では基本的にこれが守られている。吉川氏もこれを守って攻撃的な言葉を避けた結果、わかりにくくなってしまい、選択的夫婦別姓には反対しているような参政党の支持者の多くには意図通りに伝わったのだろうが、そうでない人にはわかりにくい文面になっている。
吉川氏の意図を理解した上でカウンターとして田嶋氏称賛のコメントをつけている人も当然多いし、そこに特に注意を払わずに動画を観て称賛している人も居るかもしれない。なんであれ、選択的夫婦別姓に好意的な文脈で自分の投稿が引用されることは吉川氏も想定していなかったのではないか。
吉川氏は7月2日に、
参政党は夫婦別姓に反対していますが、
ジェンダー差別政党ではありません。
人口減少、出生数の低下は、政治が国益や国民のあたりまえの暮らしを守ってこなかったから。
この危機感を国民全体が理解し、政治に向き合い、国の未来を考ねばなりません。
と党首である神谷宗幣の街宣動画を貼ってX上に投稿。これはどうだろう。
若い女性に対して、今まで通り大学(短大)を出た後に男性と同じように働くという選択肢もいいが、子育てをキャリアとして家庭に入り子供を育ててから就職すると考え大学を出た新卒より子供を3人育てた人間のほうが給料が高いという状況をつくる、女性優遇であり、ある意味で男性差別であるというようなことが動画内で語られている。また、高卒から大卒で家庭に入り、子育てが終わるのは35才から40才であるということが想定されている。
一応、選択肢の一つとして提案されており、すべての女性にそれを求めるというわけではないという形がとられているが、女性が家庭内で子育てをする前提であるのがまず問題となるところである。出産し子育てしながら働ける環境作りという視点もなく、男性の方が子育てに専念するという選択肢がはなから想定されていないことはどうなのだろう。
高齢女性は子ども産めない発言
また、2025年7月3日の参院選の第一声となる神谷氏の街頭演説での発言が話題になっている。
高齢女性は子ども産めないと発言。若い女性が出産することを自発的に選べる社会、出産した方が安心して暮らせる社会状況を作らないといけないのに若い女性に働くことを求めすぎた、男女共同参画などは間違いだったと主張。出産し、子育てをする女性に対して、子供一人当たり月10万円を給付する、パートや事務でアルバイトするよりも良いと訴えた。
高齢女性とは何歳ぐらいのことなのかという記者からの質問に、生物学的な話をしただけで年齢は想定していない、60代、70代は難しいと答えたという。