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「蛭子能収は裸の乞食だ」:根本敬の「蛭子能収タブーなし!但し『ぼぼ』は禁句」連載15

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それからカラオケ大会となり、集まった町の人々から「是非蛭子先生も一曲」となる。

仕方なく(とはいえまんざらでもなく)立ち上がり『いとしのマックス』だったと思うが一曲だけ自慢の喉を披露。

場内は拍手喝采。

そういった拍手喝采より蛭子さんが気になるのは得点だ。表示された数字を見ると80点の少し手前の78点というあたり

あれ、もう少しでるかと思ったんだけど、ちょっと低かったねえ」

とマイクを置いて特等席へ戻りオレンジジュースを飲み干した

さて、問題は…。

その後、次々に巨大スナックの常連さんたちが歌うのだが、皆さんがよりによって80点以上、つまり蛭子さんより高得点をだすのだった。次から次へと。

すると眠気が飛んだのか、蛭子さんは勝敗や数字にこだわるギャンブラーらしく

「あれえ、おかしいよー、何で皆オレより点数高いね?」

とぼやきだした。

「あれー、このカラオケおかしいよ」

そう言ってぼやきが止まらない。

それを見て、私や同行した一行がぼちぼち帰ったほうが良いなと決めた。

朝早く東京を出て一日中動いてまあ蛭子さんもお疲れ様でしたということで、店を出て地元の人の車に乗って宿へ帰ったのだった。

といった話なんですが、ホント、この日だけは蛭子さんは有名人で芸能人なんだなと、とにかく私は感じたわけでありました

 

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PROFILE:
根本敬(ねもと・たかし)
特殊漫画家、エッセイスト。1981年に、『月間漫画ガロ』で漫画家デビュー。代表作に、漫画では『生きる』『怪人無礼講ララバイ』『龜ノ頭のスープ』、活字本では『因果鉄道の旅』『人生解毒波止場』など。

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