横山やすしの奇行
小学校高学年の私にとっての久米宏は1982年に始まった『久米宏のTVスクランブル』での久米であり、人生の中で彼を最も熱心に観ていた時期である。
1980年にTBSの局アナからフリーになった久米が自身の所属するオフィス・トゥー・ワンのスタッフと会議を重ねながら、2年半越しで実現した企画が『久米宏のTVスクランブル』であり、久米の希望で相方として抜擢されたのが横山やすしだ。
やすきよ、特にやすしのファンだった自分は当然のようにこの番組を観る、というか、やすしファンの父が観ていたのもあったのだが、初期は本当に面白い番組であった。
日曜夜8時で生放送。旬の流行、ニュース、社会問題をビデオ映像にして、その感想を久米と横山が生放送で言いあう姿が売りの番組だった。
動物の赤ちゃんを紹介する「今週の赤ちゃん」。日本各地の人妻を紹介し、最後に横山が〇✕で判定する(容姿よりおかずの種類とか横山独自の基準によって判定されていた)「日本全国美人妻」といったのんきなコーナーもあったが、メインは世の中の事象を巧みに様々な形式でビデオ映像化したものに関するトークバトル。
インテリでクールっぽいけど自分の意見を人に譲らないハードな一面のある久米と、学こそないが独自の理論で論を進める横山の理屈っぽい二人の我がむき出しのバトルは本当に面白く、これまで観てきた腕利きの司会者像ではない久米の姿を初めて見たのがこの番組である。
また漫才師がテレビ番組で社会問題や政治について語ることなど、ほぼなかった時代に本当に斬新な座組であった。
