山下洋輔氏は「モリタ」とだけ名乗って立ち去った謎の男を探し求め、喫茶店のマスターをやっていたタモリ氏に再会し、交友が始まる。
福岡にめちゃくちゃ面白い男がいると噂になり、実物が見たいとジャズマンや漫画家が中心となりタモリ氏を上京させる気運が高まり、75年から月一回唐らのカンパで上京し独演会を開く生活が始まり、噂を聞きつけて独演会に現れた赤塚不二夫氏と出会うことになる。
その面白さに魅了された赤塚氏は自身の特集番組にタモリ氏を出演させることを決意、タモリ氏がテレビの世界に進出する切っ掛けとなった。
タモリ氏を福岡に返したくない赤塚氏はタモリ氏を自身のマンションに居候させた上に、月2、30万円の小遣いを渡し、タモリ氏の東京生活が始まる。
ちなみに芸能人で最初にタモリ氏に注目したのは黒柳徹子氏だという。
いわゆるお笑い芸人の世界から成り上がった人ではなく、今でいうサブカルの領域からあらわれた人で、大槻ケンヂ氏や石野卓球氏がどんなに面白いことを言ったとしてもお笑い芸人ではないように、タモリ氏もそういった存在なのだ。
初期のタモリ氏の「芸」というのは密室芸と評されたように非常に見る人を選ぶ毒性の強いアンダーグランドな香りのするものだった。そういうブラックユーモア的な要素が濃かったのはテレビ進出以前の極々少数しか観ていない時代のライブだったのだろうけれど、初期のテレビ時代もその片鱗は濃厚に残されており、強いインパクトを残すものだった。
