1.「ドジャースの一員と認められるようしっかり結果を出さなくては」
どれほど実績があっても、新しいチームに入れば、そこでは新人です。この言葉の通り、大谷選手もユニフォームを着てその場にいるだけでは「仲間」にはなれないと考えています。信頼されるには、与えられた役割を果たし、期待を超える結果で応えるしかないのです。
NPB時代も、チームメイトから愛されていましたが、メジャー後の大谷選手の行動で特筆すべきは、「その場の文化に馴染もうとする努力」です。たとえスーパースターであっても、チームのしきたりで、ファニーな被り物を被っていたのは、周知の事実です。
ただそこに在籍しているだけでは、チームの一員とは言えません。自分の力をチームのために使い、少しずつ認められていく。その積み重ねが、本当の信頼関係を生んでいくのです。
大谷選手のこの言葉は、チームで輝くことの本質を端的に教えてくれるているようです。 結果と誠意、そして環境への敬意をもって、仲間の中に居場所を作っていきましょう。
2.「チームメイトのサポートにも感謝したいと思います」
2024年春に起きた水原一平通訳の違法賭博問題に関連して、大谷選手が記者会見で語った言葉です。 突如として渦中の人物となった彼にとって、最も心強かったのは、同僚たちの変わらぬ支えでした。どんなときも味方でいてくれる仲間の存在があったからこそ、彼は平静を保ち、プレーに集中し続けることができたのです。
大谷選手が助けられたのは、日ごろからチームのために動いていたからです。 個人成績に満足せず、勝利のために全力を尽くす。打った後に全力で走る。ベンチで常に声を出す。チームメイトに対しても礼儀正しく、思いやりを持って接する。そうした日々の行動が信頼を築き、「あいつのためなら動こう」と思わせる空気を作っていたのです。
「チームに尽くす行動」が、ピンチのときに「チームに救われる力」へと変わる。自分の利益よりも全体の成果を優先する人は、いざというとき必ず助けられます。一緒に働きたい思われる人になることが、チームで輝くための方法です。
3.「みんな知らない人ばっかりでずっと自己紹介していました」
ドジャースに移籍したばかりの頃、大谷選手でもチームメイトに挨拶まわりをしたそうです。日本人は、気まずさや遠慮から、黙って過ごしてしまう人も多い中、自ら壁を取り払う努力を惜しみませんでした。
その根底にあるのは、「相手が誰であっても、自分から歩み寄る」重要性です。たとえ自分がスター選手であっても、チームでは対等な一員。その意識で大谷選手は明るく、オープンに接することを大切にしてきました。
このことは、職場や組織でも応用できます。上司であれ部下であれ、関係を築くにはまずこころの距離を縮めること。最初に見せるフレンドリーさが、空気を変え、関係を変えます。 「先にこころを開いたほうが勝ち」。そんな大谷選手のスタンスは、組織のなかで信頼を得ていくための、最もシンプルで強力な手段なのです。
人間関係が自然にできるのは小学生まで。これからは、いい関係性を意識して築いていきたいものです。
4.「杉谷拳士はなんとなく覚えてる」
大谷選手は、日本ハム時代の先輩・杉谷拳士選手の名前をよく挙げます。「なんとなく覚えてる」と、冗談交じりに語ることもありますが、実はこれが人間関係作りのヒントになります。 というのも、「いじっていい先輩はいじったほうがいい」からです。いじられキャラの先輩は、いじられるのをおいしいと思っています。


