PR
PR

バンドTシャツ論争:ロマン優光連載398

連載
連載
PR
PR

ミュージシャンの清春氏が自身のYouTubeチャンネルでヴィンテージTシャツマニアとしても知られるお笑い芸人・かまいたちの山内健司氏をゲストに迎えた2026619日の配信で「ミュージシャン代表として言うと知らない方がいいと思います。 知らない方がファッションに近いと思います」と言っていた。文化的背景ではなく単純にデザインで評価する方がファッションとしては正解ではないかと言いたいのだろうが、それは彼の個人的意見であって別にミュージシャンの中での一般的な見解ではないと思う。

また、この配信の中で山内氏は「聴いてないから着るなってそのバンドが好きな人が言ったら、そのバンドは別に喜ばないやろっていう」と発言していたが、そう言ってもらえて嬉しいミュージシャンもいるし、文化的無理解・搾取ではないかというのが根底にある批判にバンドは喜ばないと持ち出してくるのも、すごく日本の芸能界的な発想だなと思った。

PR

メガデスのデイヴ・ムステインの場合

メガデスのデイヴ・ムステインが2022年に行われた「Rolling Stone」誌のインタビューの中で語っていた哀しい出来事がある。

オランダの街中で二人の若い女性と遭遇。一人がメガデスのロゴがでかでかと入った服を着ていたので、それは自分のバンドだと話しかけたところ変態呼ばわりされて追い払われそうになり、自分はそのバンドのメンバーであるということを改めて説明したところ再び追い払われたという。

同行していたメガデスのツアーカメラマンが彼女たちに写真を撮らせてほしいと頼んだところ、町のブティックで買っただけでこんなバンドなんて知らないと断られたという。

非常に憤慨した様子でこの件を語っていたデイヴ・ムステインだが、彼なら確実に自分のファンが聴いてもないのにメガデスの服を着るなと言ったら喜ぶのではないだろうか。

女性側からしたら知らない老人がいきなり話しかけてきて危険を感じたという話であり、警戒するのもわかるし、それが正しいのだが、デイヴ・ムステインからすればバンドに若い女性のファンが未だについてくれていると思って嬉しくなって話しかけたのだろう。自分のことを知らないとか考えてもなかったはずで、相手が喜ぶくらいには思っていただろうし、女性たちの対応はショックなものだっただろう。メタリカから解雇されたことで20年以上にわたって恨み悩み続けてきたような彼の性格を考えると心配になってしまう。

まあ、バンドのフロントマンをやっている人は自意識過剰な人も多いので、自分のことを知らないのにTシャツだけ着てるのが許せない人はデイヴ・ムステイン以外にも多いはずだ。

タイトルとURLをコピーしました