364回 NY新市長関連のデマがなぜか日本で
ニューヨーク市長選で民主党候補のゾーラン・マムダニ氏が当選した。
民主社会主義者を名乗るマムダニ氏はインド系移民でイスラム教徒。家賃の値上げ凍結、保育無償化、バスの無償化、大企業や富裕層への増税といった公約をかかげ当選した。
マムダニ氏が公約に挙げた政策の賛否、それが実現可能なものなのかということについて色々な意見があるだろうが、ここで触れるのはそういうことについてではない。マムダニ氏の当選にともない、いい加減な情報が日本で広がっているということについてである。
ニューヨーク市長の話でなぜ日本のSNSが盛り上がっているのか。それはマムダニ氏が移民でありイスラム教徒であるから。外国人の増加、起こるかもしれない移民の増加に不安をおぼえている層を対象に、彼らの不安を煽るようなことを言うためにマムダニ氏に絡めてSNS上でいい加減なことを言い出す人がいるのである。
たとえば、元やくざで投資家・評論家の猫組長氏。
マムダニ氏に対して、
イスラム教原理主義者がニューヨーク市長とか地獄やな。
とXで発言。
しかし、マムダニ氏はイスラム教徒といっても政治や法律が宗教的な影響を受けないことを唱える世俗主義者であり、原理主義者ではない。彼の配偶者であるイラストレーター兼アニメーターのラマ・ドゥワジ氏もイスラム教徒であるが、イスラム教原理主義者とは程遠い服装の人物である。二人の結婚パーティーではドゥワジ氏はミニ丈のウエディングドレスを着ており、マムダニ氏がイスラム教原理主義者だったら、そんな服装は許さないであろう。
そういうことがわかってて言ったのか、調べもせずに言ったのかはわからないが、日本で増加している移民やイスラム教徒に対して不安や敵意を持ってる人々を刺激するために「イスラム教原理主義者」「地獄」という言葉を使用したのは間違いないだろう。
