――それもそうですね。浅はかな質問でした。では■■さま(現・■■さん)似の摩美子さまはどうなるのでしょうか? やはり高村と結婚するのでしょうか?
白 自分としては摩美子さまは登場させた時点でもう満足してしまっているところがある。修正を余儀なくされた覇子さまのリベンジが達成できたからな。
――■■さま似の覇子さまが覇王子に修正された件ですね。あれは圧力でもあったのですか?
白 結論から言えば、ある筋から圧力があった。
――そうなんですか! もしかして宮内庁?
白 宮内庁ではない。これ以上はノーコメント。
――そもそも本編が終わってないのに、なぜ外伝を並行してやろうと思われたのですか?
白 4年前に某出版社からコアマガジンに移籍した際に、すぐに連載再開するのはアレだと思ったので、外伝を数話挟んでからにしようと考えた。もちろん後ろ向きな考えではなく、前からやりたかった『野望の王国』のオマージュをやるチャンスだと考えた。雁屋哲先生の最大のヒット作は『美味しんぼ』だが、最高傑作は『野望の王国』だと自分は思っている。『野望の王国』は自分の好きな漫画TOP10に確実に入る不朽の名作。長らく絶版になっていて入手困難だったが、今は電子書籍でも読めるから是非お勧めしたい。
――最後の質問になります。外伝の今後の展開について教えてください。
白 そもそも本編で覇皇は日本の支配者になっているから、外伝で覇皇が最終的に勝利する展開は確定している。外伝のタイトル『覇皇本紀』の「本紀」とは紀伝体の歴史書のことで、帝王の事績を記したもの。結末はもう決まっているから、歴史書を読むように覇皇の事績、日本を手中に収めるまでの過程を楽しんでいただけると幸いだ。
――本日はありがとうございました。
取材・構成/高野房道
初出/実話BUNKAタブー2023年8月号
PROFILE:
白正男(はく・まさお)
職業:義士、漫画原作者。出身成分:核心階層(抗日戦士)。正しい歴史認識と人権思想を啓蒙するため、本誌連載作品『テコンダー朴』の原作を担当。