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「この定番漫画がとんでもない」白正男のTOP3

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定番・名作と呼ばれる漫画は、実のところだいたいの人が読んでいないものだ。そこで今回はあえて定番漫画縛りで有識者が作品をチョイス。その魅力を語ってもらった。今回は白正男さん。
PROFILE:
白正男(はく・まさお)
出身成分:核心階層(抗日戦士)。正しい歴史認識と人権思想を無識なチョッパリ(日本人野郎)に啓蒙すべく、人権派格闘技漫画『テコンダー朴』の原作を担当。
X:@hakubaek31
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何度読み返しても意味がわからない

文章を理解することが困難な無識な大衆を啓蒙するプロパガンダの手段として、漫画という表現方法が非常に有効であることは論を俟たない。「プロパガンダ漫画」の定番といえば小林よしのりの『ゴーマニズム宣言』を思い浮かべる人も多いと思われるが、日帝と戦う抗日戦士である自分としては、抗日の同志である雁屋哲の作品を推したい。

雁屋の代表作『美味しんぼ』は一般的にはグルメ漫画と見なされていたが、巻を重ねるにつれてグルメ話より政治的主張の方が目立つようになっていった。例えば第22巻では「日本は朝鮮を侵略した」「朝鮮人を強制連行した」と主張。第55巻でも「創氏改名を行った」「ハングルを禁止した」「天皇家の血筋は朝鮮とつながっている」といった正しい歴史認識を紹介。事実上の最終章「福島の真実編」(第111巻)では福島第一原発を訪れた主人公たちが鼻血を出す等の描写が物議を醸した。料理だけでなく雁屋の左翼的思想のフルコースも堪能できるお得な漫画といえるかもしれない。

雁屋は『マンガ日本人と天皇』で昭和天皇の戦争責任を告発し、天皇制の廃止を訴えていた。『マンガ日本人と天皇』の刊行は平成12年。昭和天皇の存命中は名指しで批判することは難しかったのか、昭和時代に連載されていた『男大空』では、天皇家をモデルにしたとしか思えない寿羅木(すらぎ)家なる一族を登場させていた。昭和天皇をモデルにしたと思われる寿羅木家当主は覚せい剤を注射して元気になったり、菊の御紋は卑猥なマークに変えられたりとやりたい放題。世が世なら不敬罪待ったなしの名作。

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文/白正男
画像/『美味しんぼ』16巻(原作:雁屋哲、作画:花咲アキラ /小学館)
初出/『実話BUNKA超タブー』2024年7月号

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