渡部を痛罵しても許される児嶋
世は1億総シャーデンフロイデ症候群。「シャーデンフロイデ」とは、他人の不幸や失敗などを喜ぶ感情のことだ。
人がつまずいて転べば、手を差し伸べるどころか、嘲笑い、蹴飛ばし、踏みつける。無慈悲なイジメをたしなめるどころか、正義面して火炙りの炎に薪をくべ、ややもすると自らの利得とする輩も多い。
2020年6月、複数の女性との不倫を報じられたアンジャッシュ・渡部建。愚かな行いの代償として受けたバッシングは過大なもので、活動自粛は2年近くにも及んだ。
一方、その2年間に仕事量と好感度を爆上げさせたのが、相方の児嶋一哉だ。
報道直後、渡部の代役としてラジオ番組に出演した児嶋は、欠席裁判さながらに渡部を糾弾。
不倫は褒められたものではないし、多目的トイレを利用したのも倫理意識に欠ける。近しい者が叱責するのも、ガス抜きや火消しとしてはありだろう。だが、「気持ち悪い」「天狗」「勘違い」など、児嶋の言葉は叱責というよりも、人格否定を含む罵倒に近いものだった。
涙を流しつつ、スタッフや仲間、さらには自らに対する態度まで断罪した児嶋。印象操作は功を奏し、渡部には「気の済むまで叩いてもいい奴」というレッテルが貼られ、世間様による渡部叩きは、沈静化どころかさらに燃え盛った。
「(渡部は)思いやりや優しさ、愛がない」
いかにも、バカなネット民や夫から愛されていない主婦に響きそうな言葉を連発した児嶋だが、児嶋が渡部から優しくされなかったのは、シンプルにそれに値しない人間だっただけだ。もともとタレントスキルに長けていた渡部が、グルメなどさらに多方面の仕事を獲得している間に、児嶋が成し得たことは? ボケにもツッコミにもなっていない訂正コメント「コジマだよ」一本槍で、ひな壇の末席にぶら下がっていた程度。努力家の渡部がよく思わないでもおかしくない。
おんぶに抱っこで負担をかけてきたくせに、渡部の立場が悪くなるや、世間のバカを味方につけて卑劣な下剋上。騒動の注目度と「かわいそうな児嶋」というポジションを利用して、YouTubeのチャンネルもスタート。
案の定、第1回目の配信では、「あの件について話します」とわざわざ渡部ネタを投下。そっとしておくつもりは毛頭ないらしい。
開設して2年経ってもその動画を消さないことからも、児嶋が渡部の失態を利用しているのはあきらか。実際、当該動画はいまだに同チャンネルトップクラスの再生回数を誇っている。
児嶋が渡部の再起を願っていないのは、前述のラジオでの「心を入れ替えると謝っていたけど、人間そんな簡単に変われるとは思っていない」「(復帰は)何年かかるか分からない」「仕事はひとりでしていこうと思う」などの言葉からも、手に取るように分かる。
見かねた千葉テレビが『白黒アンジャッシュ』での復帰をお膳立てした際も、喪服のような衣装を着て、沈鬱な表情でことさら重い空気を演出。「まだまだ許されちゃいけない奴」「アンジャッシュは俺が上」という印象づくりは成功ですか?