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兵庫県知事選の様子がおかしい:ロマン優光連載316

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316回 兵庫県知事選の様子がおかしい

「様子がおかしい」という表現もなんだなとは思うのだが、本当にそうとしか言えないような状況になっている。

前知事である斎藤元彦氏の失職に伴い行われることになった兵庫県知事選。14日、県内29市長でつくる市長会の有志22人が、無所属で立候補している元尼崎市長の稲村和美氏立憲民主党、国民民主党、自民党議員の一部が支持)を支持すると表明するという異例の事態がおきている。選挙戦で誹謗中傷や誤解が広がっており、正しい情報が伝わっていないという懸念から、緊急で表明することになったというがいったい兵庫県知事選で何がおこっているのだろう。

兵庫県知事選の混迷の要因の一つが「NHKから国民を守る党」(以下N国)の立花孝志氏の立候補によるものだ。立候補といっても立花氏がやっているのは自身の選挙活動ではない。斎藤元彦前知事を応援すると表明し、斎藤氏に投票するようによびかけているのである。わざわざ立候補して他の立候補者の応援をするのも異例のことだし、その内容も問題があるものである。

ここにいたった経緯を振り返ってみよう。

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今年3月、兵庫県庁・西播磨県民局長A氏が斎藤氏のパワハラや贈答品の要求、公金不正支出疑惑に関する告発文書をメディアなどに送ったことに対し、斎藤氏らはAさんに懲戒処分をかけた。その後、A氏は7月に急死。自死ではないかとみられている。

告発文書の内容が信憑性の高いものであると考えた県議会は6月に調査特別委員会(百条委)を決定、県職員を対象に調査を実施。県の全職員の69%にあたる6725人がアンケートに回答し、140人の職員が斎藤氏のパワハラを実際に目撃、946人が斎藤知事が贈答品を受け取っていることを見聞きしたという結果があがっている。

また県幹部がA氏の公用パソコンの中にあった個人情報を持ち歩いたり、県議の一部がA氏の公用パソコンの中にあった個人情報を百条委で公開するように要求するという、A氏に対する圧力、報復のような動きもあった。

公益通報者保護法が内部告発者探しを禁じていること、A氏の死の前後の県の行動などが問題視され、県議会で9月に不信任決議が出された。

斎藤氏は県議会を解散せず、失職して再選挙に立候補することを決断した。

斎藤元彦の改革路線をつぶすための陰謀

こうした中で、告発文書や一連の疑惑は斎藤氏の改革路線をつぶすための陰謀であるという話がSNSで流布されるようになり、それに乗っかったのがN国の立花氏というわけだ。

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