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老害高野連が甲子園での酷使で球児の将来を潰す

スポーツ
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「試合で倒れるなんて初めて。何をやっているのか」

熱中症は根性でどうにかなるもんじゃないだろ!

同日、他球場でも熱中症で倒れる球児が続出したことからして、同じような考えの監督が少なからずいるのだろう。この事態を受けた埼玉県高野連理事の言葉。

「ちょうど期末試験が終わり、体が慣れてないんじゃないかな。対策を考えないと。毎日これでは困る」

えーと、生徒が試験勉強にかまけて体調管理を怠ったような言いぐさをしてますけど、正気ですか?

熱血スパルタ指導という高校野球の間違った美徳は死者が出ない限り直されないのかもしれない。故障者程度では動じないことは、「投げすぎ高校球児」問題が改善されないことからして明らかだ。

田中将大、ダルビッシュ有ら、日本人メジャーリーガーの長期離脱はよくあること。それは今に始まったことではなく、元高校球児だった日本人投手の長期離脱はもはや定例化している。米国のサイトではその理由として、高校時代の投球数、イニング数の過多を挙げている。

ただし、彼らはメジャーリーグに行けるほどの活躍をしたからまだマシだと言えるかもしれない。2013年のセンバツで決勝までの5試合で772球を投げた安樂智大投手。楽天イーグルスに入団したものの、ヒジの故障があったからか高校2年生のときに最速157キロを出したストレートもプロ入り後は146キロしか出せなくなったという。

高校野球史上、投げすぎによる最大の被害者は沖縄水産の投手だった大野倫であろう。1991年、夏の甲子園。大野は春先に痛めた右ヒジの故障を抱えたまま、医師の警告を振り切り、痛み止めの注射を打ち続けてマウンドに上がり続けた。沖縄県勢初の夏制覇という期待を背負っての登板。決勝戦まで進んだが、最後は右ヒジが曲がった状態での無理な投球となり、敗退。6試合773球を投げ抜いた結果、右ヒジの疲労骨折と診断され、手術を受けたところ剥離骨折した親指の爪ほどの骨片が複数摘出されたという。大野はマウンドでこう思っていた。

「甲子園で投手生命が終わってしまってもいい」

高校生にそんなことを思わせて、何が教育なのか?

一体誰のための甲子園なのか?

前述した安樂智大投手の投げすぎ問題が、米国でも問題化されたのを受けてのことだろう。同年、夏の甲子園より、準決勝の前に初めて「休養日」が設けられ話題となった。それに対して『週刊ポスト』(2013年9月20・27日号)誌面で金田正一と桑田真澄が対談を行っている。

桑田は、未来のある子供たちが甲子園で壊れるわけにはいかない、大人たちが子供たちの将来を考えた日程を組んであげないといけないと提言しているのに対して、金田は「それで今年の夏の甲子園では準々決勝の後に1日休みを作っただろう。ワシはこれで『高校野球も終わりだ』と思ったね。高校野球というのは、連投、連投で各校が最後まで死力を尽くすからこそ、感動が生まれてきたんだ」としている。

感動装置としての甲子園。高校球児は甲子園を通じて、世に感動を与えなければならないという考え方があるからこそ、球児は純白純真な心を持ってなくてはならず、目立ったパフォーマンスをしてはならず、危険を承知でヘッドスライディングをすべきであり、エースは満身創痍でも完投しなくてはならない。

すべては世の人々に感動を与えるために!

……って、高校野球はエンターテインメントショーではないですよね? ドラマ番組でもないですよね? あくまでも高校の部活動なのに、なんでそこまで必死でやらなければならないんですか?……あ、なるほど。国民に感動を与えるため、つまりは国民のために個人は犠牲になるという精神を身に付けさせる教育の一環としてあるわけですね!

……って、ただの軍隊教育じゃねーかよ。おい。

それを導いているのが、高野連なのである。

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