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老害高野連が甲子園での酷使で球児の将来を潰す

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前述した桑田真澄だけでなくダルビッシュ有、松井秀喜なども投手起用に対して批判を口にしている。高野連としても、さすがにマズいと感じたのか、試合時間を短縮すべく延長戦では走者を置いた場面から攻撃を始めるというタイブレーク制度の導入を検討し、2018年からようやく導入された。

メジャーリーグでは投球制限というものがあるが、米国ではアマチュアでも同様の制限を設けていて、15歳から16歳は1試合で95球まで、17歳から18歳までは105球までに制限されている。これと同様の投球制限も検討されたが、優秀な選手を多く抱える強豪校が有利になるという理由で、先送りにされ続けた。2020年にようやく1週間に投げられる総数が500球以内という投球制限が導入されたが、1試合を完投する場合の投球数は約100~150球であり、1週間に500球投げてもいいなんていう投球制限はあってないようなもの。

複数投手を使ったほうが球界全体の底上げにはいいという考えに及ばないのか。そもそも強豪の私立高校野球部監督の中には「他校で活躍されるくらいなら自分のところで飼い殺しにしたほうがいい」という理由で投手を余分に獲得する者もいるというから恐ろしい。

高校の監督にとっては、自分の評価を高めるための勝利至上主義であり、それには生徒がどうなってもいいのだろう。次の年になればまた優秀な選手が上がってくるのだから。そういった考えを正すのも高野連の仕事のはずなのだが……。ほとんど無意味な投球制限の導入を見ても、高野連で抜本的な改革がなされる気配は感じない。今後も高校野球という残酷なショーはくり返されていくのかもしれない。

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文/ダテクニヒコ
写真/Wikipediaより(撮影/Orixbaseballclub)
初出/実話BUNKAタブー2016年9月号

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