他人の言説にのっかって、それを大義名分にして娯楽としてネット上で他人を攻撃をし、自分が反撃されると被害者気分になり、逃げれなくなると「あいつにだまされた、あいつがわるい」と自己の責任をできるだけ低く見積りながら他人のせいにする人間の心理が赤裸々に描かれており、それは一つのサンプルとして興味深いものだ。
A氏の場合はそもそもの正当性があまり感じられないところから始まっているので、こんなのは特別な人間だと考える人もいるかもしれない。しかし、大義名分になる主張自体に正当性がありそうなもの、実際に正当性があるものから始まっても、それに便乗して他人を攻撃する人は出てくるわけで、心理的には特別なものではないだろう。
インタビューの資料的価値とは別に、「暇空氏を支持する人間はこういうしょうもない人間である」と世間に知らしめる効果があるし、それも狙ってのインタビューだとは思う。
暇空氏に便乗して無分別にデマをばらまいたり、誹謗中傷をおこないにっちもさっちもならないとこまできてしまったこういった人たちは愚かだが、ある意味正直者だともいえる。
自分ではそういった発言をしないが、お気に入りもRTもアンチフェミニズム的なものでいっぱいな人。海乱鬼はRTしないが、もへもへはRTする人。 そういうタイプの人(高学歴、高収入、家庭にも恵まれているような人もいる)が、初期に暇空氏をRTしながらも自分では発言はせず、便乗組が暴走したりして雲行きが怪しくなると、まるで最初から関係がなかったかのようにサッと立ち去るという見事な立ち振舞いをしていたわけで、ある部分では今回Colaboと和解したような人たちよりもタチが悪いと私は思っている。
〈金曜連載〉
写真/Yahoo!ニュース『【暇アノン懺悔録】「暇アノンの姫」だった40代男性』よりスクリーンショット
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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
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