でも、インドの一番ムカつくのは、やっぱり水が汚いので、少しでも油断すると、お腹を壊してしまうところだろう。
もちろん注意して行動していたが、サウナの給水機の水を「ミネラルウォーターかな」と思って、がぶ飲みしたのが良くなかった。飲んだ瞬間に違和感があって「ヤバい」と気づいたんだけれど、時すでに遅し…。
案の定、一緒にサウナに行った『メモの魔力』の前田裕二と共に、お腹を壊してしまった。給水機にミネラルウォーターではなく、普通の水道水をぶちこんでいるインド人たちにマジでムカついた。
実は20年近く前、早稲田大学の１年生だった時にもインド旅行をしたことがある。妻と出会ったのもその旅行中だ。
学生時代は沢木耕太郎の大ベストセラー『深夜特急』が大好きで、一人旅に憧れを持っていた。幸いにも作者の沢木さんにバックパックにサインしてもらうことができたから、そのバックパックを背負って、物語に出てくるインドに意気揚々と向かった。
若気の至りじゃないけれど、当時は「せっかくインドに行ってお腹を壊さないのもダサい」くらいに思っていたので、ガンジス河で泳いだり、生水も平気で飲んでいた。見事にその時もお腹を壊したけどね。
よく「インドに旅行して人生観が変わった」なんて言う人がいるけれど、インドに限らず長期間の海外旅行の良さって、そういう変化が体験できるところにあると思う。白が黒になるほどの劇的な変化とはいかなくても、なにかしらの影響は絶対にあるだろう。
日本人が多いハワイみたいな観光地に１週間滞在したところで変わらないだろうけど、安宿に泊まったり、現地の人と触れ合う機会があると、何かしら影響は受けるし、そういう積み重ねが人間の厚みになっていく部分はある。
やっぱり、自分が絶対だと思っていた価値観やルールが絶対ではないと理解する体験って意味があるし、そういう体験を手っ取り早く得られるのが旅の良いとこなんじゃないかな。
