そうかといって対抗勢力から出された情報の中には、そのまま信じるに値しないものもある。まあ、有能で権力欲・名誉欲が強く、人たらしの能力が高い人物であり、彼の綺麗な言葉は人心を集めるための手段で本心かどうかはわからないというのが、池田氏に対する自分の印象だ。
私が20代のころの池田氏及び創価学会がらみの話題というと、オウムによる池田氏暗殺計画、日蓮正宗からの対立・破門などがあったのだが、その中の一つが東村山市議転落死事件(1995年)だ。
創価学会・公明党批判をしていた市議が転落死し警察は自殺認定したのだが、遺族や市議と同じ会派の議員Aが謀殺説(創価学会の関与を直接的に指摘するのは避けられてはいる)を主張。それを多数のマスコミが創価学会による謀殺疑惑としてとりあげ、当時対立関係にあった政党や宗教団体が遺族と議員Aを支持したが、何も出てこないまま1997年に捜査は終了。遺族・議員Aを原告とする訴訟、被告とする訴訟共に本筋に関わる部分に関してはあらかた遺族・議員側の敗訴に終わっている。
この事件を2008年以降に瀬戸弘幸・桜井誠あたりが街宣やネットでこの問題を遺族・議員Aの主張を支援する立場からとりあげた結果、ネット上に広がることになった。市議サイドはリベラルな政策をとなえていたのだが、ネトウヨとよばれるような人たちと反創価学会の旗のもとに呉越同舟状態だったわけである。ネット上に見られる極端に悪魔化された創価学会像(もともと評判はよくないが)にこの事件から生まれたイメージが影響しているのではないかと思う。00年代後半はこの事件や現地での凸活動の情報、それに対する反論・批判をネットでよく見かけたものだ。
池田氏を神格化している高齢信者と創価学会という組織自体に帰属意識をもつ2世信者以降の世代の間には意識の違いがあるかと思うのだが、今後公明党の動き次第ではより分断されていくような気がする。池田氏の護憲発言を教義のように受け入れている池田氏個人を信仰しているような人の中には公明党が憲法改正に賛同するのは受け入れがたい人もいるだろうし、組織の意向として公明党を応援することが目的になっている人は特に気にしない人もいるだろう。公明党が改憲問題などで池田氏の発言を踏まえずに自民党に足並みを揃えていくことで、離反する高齢信者も増える可能性はある。
個人的に知り合った末端の信者に関しては悪いイメージはないが、創価学会という組織についてはイメージはよくない。しかし、創価学会によって明確な恩恵を自分は一つだけ受けている。
それは創価学会系出版社・潮出版から発行されていた月刊漫画雑誌『コミックトム』(2012年に『WEBコミックトム』として復活)に連載されていた漫画の数々だ。