都内ではこうしたレアハンバーグを提供する店は多く、決して珍しいものではない。それどころか、今年10月に起きたペッパーランチの半生ハンバーグ食中毒事件で、牛肉はしっかり火を通そうという流れに傾きつつある。「さわやか」のハンバーグは、都内の感覚からすると時代遅れの味と言えるのだ。
むしろ「さわやか」の褒めるべき点は安さである。
安いけど2時間待つのはタイパ的に愚行
「さわやか」の看板メニュー「げんこつハンバーグ」は250gで1265円(税込み)。
なんと、安いイメージのある「ステーキガスト」の「粗挽きステーキバーグ」250gで1319円(税込み)よりもお得なのだ。中価格帯の「フォルクス」170g1628円(税込み)、「ステーキのあさくま」180g1815円(税込み)と比べてもかなり安く感じる。
リーズナブル。それこそが、意外と言及されない「さわやか」の隠れた特徴なのだ。
ただ、安いと言ってもたかが数百円である。そのわずかな差額のために、2時間以上並ぶのはタイパ的に愚行と言わざるを得ない。
店内に貼られていた来店者分布を見ると、意外と地元客が多いことがわかる。観光客が記念に食べるのはまだ理解できるが、長時間並んで何度も食べている静岡県民は、よっぽど美味いものを食べ慣れていないか、暇か、タイパという概念のない人かのどれかだろう。
結論としては、「さわやか」は待つほど美味しくないし、待ち時間の割に激安でもない。フラっと店の前を通って並びがゼロなら食べても良いくらいの店と言えるだろう。
文/岡星漫太郎
写真/編集部