PR
PR

アイドル性とはなんなのか:ロマン優光連載115【2018年8月10日記事の再掲載】

連載
連載
PR
PR

アブドーラ・ザ・ブッチャーのような悪役レスラーが「目がかわいいー」とか女の子に言われているうちに、世間全体がなんかかわいい存在であるかのように認識するようになった例があるじゃないですか。あれと同じ感じですよ。一部のアイドルがかわいいとか言ってただけなのに、だんだんそういう風に見えてくるもんなのです。

いわゆる「吉田豪ポーズ」。里咲りささんも多用するあれですよ。里咲さんは小顔ポーズと呼び、あれは顔が小さく写ると言ってましたが、そんなことはどうでもいいんです。あれも、別にかわいいと思ってやってたはずじゃなくて、「アイドル性のない自分がアイドルっぽいポーズをとって写ってたら面白い」みたいな感じでやってたはずなんですよね。

PR

でも、今では普通にかわいいポーズとしてとられてるわけじゃないですか。一度、アイドル性を他人に見いだされると、ミダス王の手に触れたものが全て黄金にかわるように、全てが相手の中で、かわいいに意味が変換されてしまうのです。本人は別になにも変わってないのに全てがかわいくとられていく様は、昔から見ていた人間にとってはビックリですよ。

インタビュアーとして隙を晒してかわいく思われたわけではなく、偶然に見た目のかわいさを見出されたというのは、人間何がおこるかわからないものです。そこを照れたりせずに素直に乗っかることで、今まで持ち合わせてなかった大衆性も手に入れたわけで、やっぱスゴい人だと素直に思います。

 

〈金曜連載〉
あのちゃんについて:ロマン優光連載145
地下アイドルの定義:ロマン優光連載258
自分の一番好きなアイドルはTIFに出てない:ロマン優光連載251
アイドルの「いい下手さ」とは:ロマン優光連載113

PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
twitter:@punkuboizz

↓ロマン優光の連載記事・個別記事はこちらから↓

タイトルとURLをコピーしました